はるはたたかいのきせつ。
「そーいえば、今月の2の日は図書館で鑑定の仕事なかったね。
毎月地下で本の鑑定するはずなのに、なにかあったのかな?
まあふつーの仕事のほうが楽だから鑑定がないのは大歓迎なんだけど、ちょっとだけ気になる。」
「そういえばなかったわね。鑑定。
鑑定しなくちゃいけない本がない、というのは考えられないから、鑑定のレンズを他に使わなくちゃいけない状況だった、とかかしら?」
「むー。
たぶん、回復まほーのすくろーるをたいりょうせいさんするのでいそがしいんだとおもうー。
戦争でも起こすのかな?」
「回復魔法?はまあどうでも、よくないけど、戦争?ってどういうこと?
白ちゃん、詳しく説明してくれるかしら?」
「らー。
もらった図書館のほん、読み終わったものは子供冒険者協会を通してしょちょーのところに送ってるのは知ってるよね?
前回送った本のなかに、回復魔法のすくろーるを簡単に作れるよーになる魔道具な本、あった。
それ送った後に、魔力の流れを確認してみたら、ものすごい数のすくろーる、つくってるみたいな感じな気配感じた。
だから、おっきなたたかいでもあるのかなー、って、おもった。」
「えーっと、スクロールってのは、魔法を使えない人でも使える使い捨ての魔法書、だっけ?」
「まほーを覚えてない人でも使える、使い捨ての巻物だね。
使えない人でも使えるかどうかは、作り方による?
他のまほーなら使える、っていう人のために作るなら、魔力をこのくらい入れると使える、くらいの設定で良い。
こんとろーるはできないけど魔力気力たくさん、っていう人のためなら、気力を使用者から自動で吸って発動、くらい。
ふつーの人でも使えるようにだったら、すくろーる作る時点ですくろーるに魔力練りこんでおかないと無理。
魔力練りこんだすくろーるは、あんまりながもちはしないとおもう。あれでつくれるひんしつだとさんかげつもつかどうかかな。」
「うーん。
なんかいろいろ種類あるみたいだけど、とりあえず、回復魔法使えない人でも使えるようにできる、使い捨ての道具、ってのはわかった。
そんでさ。その巻物って、どのくらいの効果あるの?ポーションよりすごいとか?」
「むー。
あのれしぴだと、ポーションでいうとCランクくらいが限界かな。さいこうにうまく作れても。
だからぽーしょんよりはよわめだと思う。
でも、すくろーるをたくさん同時に当てて効果倍増とかできるってところと、自分以外にも打てるってところくらいかな。長所は。
あと魔法だから満腹度に影響せずに効くってところも違うかも。おなかいっぱいだとポーションも効き悪くなるしね。」
「それと持ち運びしやすいってところとか?ビンよりはたぶん持ち運びしやすい、よね。」
「らー。
小さくするように改良すれば、ぽけっとに束で入れられるくらいにはなるとおもうよ。
その場合は発動条件を厳しめに設定しておかないとだめだろうけど。」
「なるほどー。
説明ありがと~。なんとなくわかった気がする。
とりあえず、結論としては、春だからじゃない?戦争とかではないと思うよ?」
「み?
はるだとすくろーる作るの?」
「うん。作る方法があれば作るよ。たぶん。
春になったら、動物系のモンスターが多く出るようになるのよね。あったかいから。
そんで、数が増えるってことは、その中で強いのも出やすくなる、っていうわけで、かなり危険性増すのよ。冬より。
街とか村が襲われて壊滅ってことも増えてくるし。」
「そーなんだ。
モンスター、出るよーなところ行ったことないから、知らなかった。」
「うん、そうなのよ。
だから、回復できる道具で、持ち運びしやすくて効果があるものが作れるなら、いっぱい作りたいって考えるのは自然だよね。」
「らー。それはそうだろーね。」
「それに、白ちゃんからするとたいしたことないのかもしれないけど、Cランクポーションと同格でほかの人にも使える回復魔法の巻物、って1枚でも貴重品だと思うわよ。」
「み?そーなの?
1枚だけだったらポーションつかったほーがはやいよ、たぶん。」
「ポーションをほかの人に使うにはBランク以上じゃないとだめよね。
でもBランクのポーションって、出回ってる数がものすごく少ないはずなのよ。
だから、ポーションを飲めないような状況になってる人に対して治療できるか試すこと自体、普通の人には難しいの。」
「むー。
たしかに、Bランク作れるよーになるまで、たくさんれんしゅーしないと無理だった。
あれはてさぎょうでやってたらいやになるね。
ということは、Bのぽーしょんはあんまりでまわってない、だから劣化版の巻物でもやくにたつ、だからいっぱいつくった。ということか。
にゃー。なっとく。」
「そーいえばさ、大量生産、って言ってたけど、そんな簡単に作れる道具なの?
Cポーションを簡単に大量生産できる道具とかって、とんでもない価値ありそうな気がするんだけど。」
「むー。
Dなら簡単にいっぱい作れる。Cも簡単だけど少ししか作れない。
たぶん大量生産してたのはDがほとんどかな。
慣れてきたらCもいっぱい作れるかもしれない。作ってないからわからない。」
「そーなんだ。
って、D大量生産でも充分とんでもないよねぇ。しかも誰でも作れるわけでしょ・・・?」
「とんでもない、わよねぇ。」