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越えられるなら限界じゃないよね。

正面に現れた蒼いモンスター、一見すると危険性など全く無さそうな姿をしている。

だが、魔力感知の能力を鍛え上げている彼女だからこそわかる。

対峙している敵は自分と同じ、いや、自分を越える力を持つものだと。


軽くジャンプして、体調を確かめる。

着地の衝撃でHPが1割弱ほど減少する。


ほぼ同格なのはHPのみ、それ以外の物理的な要素、スタミナ、攻撃力、防御力、敏捷性などは極端に自分が劣っている。

しかし、そんなことはとうに想定している!


防御が劣るなら、攻撃をすべて回避すればいい。

スタミナに劣るなら、最低限の動きで回避すればいい。

敏捷性に劣るなら、相手の動きをすべて予測して先に動けばいい。

攻撃力に劣るなら、リスクを背負って威力を上げればいい。


モンスターが跳ねながら向かってくる。

単純極まりない体当たり。

だが、その一撃が「致命傷」になるという状況なら、その技を笑えるだろうか?


とっさに、横に跳んでかわす。

その衝撃でまたHPがわずかに削られる。

大きな動きは自分のHPを削る、戦える時間は長くはない。


その後も何度か同じように回避し、HPは残り半分近いところまで削られる。

半分以下になれば痛みで動きが鈍ることを考えれば、実質的に戦闘不能一歩手前まで追い詰められたことになる。


だが、それも計算通り。

最初で最後の一撃を叩き込むために、ギリギリまで敵の動きを確認するために、敗北一歩手前まで観察に徹したのだ。


自分程度の者を倒すのに技など要らぬと言わんばかりに、同じタイミングで飛び込んでくるモンスター。

一瞬だけ目を閉じ、そして見開くと同時に、敵の中心部に正拳突きを叩き込む!

確かな手ごたえ、カウンターでの相打ち狙いは成功し、敵は大きく形を変えて地面に落ちる。

お互い体力半減以下、あらかじめ設定していた条件により引き分けと判定された。

だが、もしそのまま続けていたら勝ち目はないことは当然わかっている・・・。



機械音声のメッセージが響く。

「おつかれさまでした、VRバトルコロシアムCPU戦第1ラウンド、ブルーゼライム1匹、終了です。

 続いて第2ラウンドの対戦相手を選択してください。」


「むー。それじゃ、ワイバーン一匹で―。

 決着条件はHPゼロの完全決着。」


「それでは、第2ラウンド、ワイバーン1匹との戦闘を始めます。」


「らー。どうぞー。」


物理での戦闘のあと、魔法での戦闘の実力を試す。

いや、実際のところは、単なる八つ当たりかもしれない・・・。


早口で呪文を唱え、敵が見える前に呪文を完成させる。

『偽典・灼熱のドラゴンブレス』


視界が優しい光に包まれていく・・・。


「むー。

熱や光があんまりこっちに来ないように修正加えたけど、その修正のせいでどんな感じの技なのか全然こっちからは見えないんだね・・・。

まあいいか。今回対戦ゲームだから、体力ゲージ見てれば威力はわかるし。

にゃー、相手の体力ゼロになった。かちー。」


「み?

技一発でステージが半壊してる。

けっこー派手な技だったんだなー、これ。」

 ※ダメージは100分の1単位で表示させることもできます。

 今回は100分の1単位で表示させてたので、最大HPは400と表示されます。当たればほぼ死ぬのは同じです。

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