夜市場に行ってみる。
「ただいまー。」
「白ちゃん、ただいま。」
「おかぁいー。」
「そーいえばもうすぐ春だね。
白ちゃん、30日の夜は予定あいてる?」
「らー。いつでもあいてるー。」
「んじゃ30日には3人で出かけようね。お互いなんか急用があったら相談して予定変更するかもだけど。」
「らー。でかける。きゅーよーが入ったら変更。おぼえた。」
「ところで、今日は何しよっか。
っていっても夜まで少ししか時間ないけどさ。」
「今日は夜市場の日じゃなかったかしら。」
「お、そんなのあったっけ。
それじゃ白ちゃん、あったかい服装してお出かけしよう。お買い物。」
「にゃー。おでかけー。
ちょっとまっててね。」
(ごそごそ)
「まず、いつものワンピースをぬいで、と。
そして、失敗作のとれーなーを着てみる。」
「あれ、失敗作着るんだ?
まあ見た目はどこが失敗かわからないけど。」
「しっぱいさくだから、実験に使い捨てても困らない。
衣装分解、再構成。」
「おおっ!?」
トレーナーが光の粒となって分解していき、光の粒は体の周りを回り始める。
やがてまた体に近づいていき、新たな衣装の形に固まっていく・・・。
「にゃー。できたー。」
「すごいねぇ。新しい魔法かな?」
「らー。魔力節約のために、いろいろなまほーの実験してる。」
「あの、白ちゃん?
すごい魔法なのはわかるんだけど、それ、どう見ても冬服ではないわよね?」
「み?
・・・すけすけ、ねぐりじぇ。だね。
魔法構成するとき、つくるもの指定しなかったから、こーいうこともある。」
「えーっと。
とりあえず、いつものに着替えていくことにしない?」
「らー。そうするー。」
・・・
「じゅんびできたー。」
「お、それじゃ行くとしましょうか~。」
「そうね、行きましょう。
暗いから足元気を付けてね。」
「このくらいの暗さならはっきりみえるからだいじょーぶ。
でも足元はきをつけるね。」
ゆっくりと市場へと歩いていく・・・。
通常この時間になると真っ暗になっていそうなものだが、今夜はランタンや魔法の明かりなどで市場の出店周辺だけはやや明るくなっている。
「おおー。いつもの市場も夜にくるとやっぱり雰囲気違うねぇ。
夜市場来るのなんて何か月ぶりかなー。」
「いろんなものありそうだね。
おいしいものあるかなー。」
「おいしいものもたくさん売ってるわよ。
変な食べ物も多いけど・・・。」
「夜市場は昼の市場と違って、まとまった数を揃えられなかった物や、高価なものなど普通の市場では売りにくいようなものが主に出品されてるんだよ。
だから、すごくおいしいものとかもたぶん売ってるはず。値段もそれなりに高いだろーけど。」
「にゃー。
それじゃ、まずはおいしーものさがしにいこうー。」
「おー。賛成。行こう行こう。」
・・・
(もぐもぐ)
「このくしやき、おいしーね。」
「そうだねー。
何の肉かわからないのがちょっと気になるけど、おいしいからいいかー。」
「これまでに食べたことないのは間違いないと思うけど、何の肉かは見当もつかないわね。
売ってる人が知らないんだから私たちにわかるわけもなさそうだけど。」
「夜の市場はじゆうなんだねー。」
「そーだねー。
昼は絶対売ってなさそうな物多いから、そーいうの中心に探していこうー。」
「らー。そーしましょー。」
・・・
「子供用ぷーる?
こんなのうってるんだね。びっくり。
材質なんだろー。見たことないような感じ。」
「プール・・・って、なに?」
「み?
プールってこのあたりにはないのかな?
プールっていうのは、水遊びするために水入れる大きな入れ物のこと。」
「あら、そんなものがあるのね。
水適応スキルは子供のうちからつけておいた方がよさそうだし、買ってみるのもいいかもしれないわね。
あ、でも置き場所がないかしら?」
「図書館の地下、防水仕様の部屋もあるから、そこで遊んでみる―。」
「へー、そんな部屋もあるんだ。知らなかったよ。」
「いろいろあるみたいだよ。
無いのはベッドくらい、かも。
それじゃ、このプール、買うね。」