コビットさんのお家訪問。
3人で酒場を出て、町はずれのほうに歩いていくと、直径5~6メートルほどの円形のテントのような建物がある。
建物の前まで来たところで、マリアが足を止める。
「それじゃ、私はここで帰るわね。
何か用事あったらいつでも呼んでね。しばらくはあの酒場にいるから。」
「らー。わかったー。
それじゃー。」
マリアは酒場のあった方向に歩いていった・・・。
「それじゃ、入りましょうか、本渡さないといけませんし。」
「らー。おじゃましまー。」
小さな入り口から中を見ると、入口から見て右の方には小さな机とイスがあり、机には本が二十冊ほどおかれている。
正面奥には小さなベッドが一つ、床の中央には魔法陣が描かれた紙が置かれている。
「それじゃ、本借りていくね。
魔力の手。」
手をかざすと、触れてもいない本が浮き上がる。
「はい、返すのはいつでもいいので、ゆっくり読んでくださいね。」
「むー。
ゆっくりよむと疲れるから早くが良いな。」
「あっ、早くのほうが楽なら早くで大丈夫です、もちろん。」
「にゃー。それならはやくよむね。
あ、そーいえば、聞きたいこともう一つあった。」
「あ、はい、なんでも聞いてください。」
「さっきの話のとき、どこまで距離を調べられるのかーとか聞いてこなかったのなんでかな、って思った。場所探しには距離わかるのは重要だから聞いてくるかとおもったんだけど。」
「聞きたかったですけど、シロちゃんが質問終わりって言った後だったので我慢してました。」
「にゃー。それは良い判断かも。
わたしのばあい、私がいる場所からかいぬしがどの方向にいるか、きょりがどのくらいかなんとなーくわかるってだけだから、かなりおーざっぱ。
まずきょりの単位をせいかくにはあくしてないしね。
10フィート棒とか売ってないかなー。どこかに。」
「あ、それなら、長さを測れるような道具を探しておきます。」
「にゃー。それはうれしい。みつけられたらおねがいー。
それじゃ、またまほーじんの紙開いてるときにくるね。
転移門ー。」
「さようなら。また今度おねがいしますー。」
「らー。またこんどー。」
空中に作った扉をくぐり、姿を消した・・・。