小声で報告
「にゃー。おなかいっぱい。もーたべれない。」
「私も今日はこのくらいでやめておくわ。
無理して詰め込む必要もなくなってるみたいだし、おいしいうちに止めておきたい。」
「そのワイン樽って、たぶん個人用じゃなくて店に置いておいて量り売りするための物ですよね・・・。」
「そうみたいね。
いちいちビンを開ける手間がかからないからいいわね。」
「気にしてもしかたないんだけど、その体のどこにそんなにはいるんだろーっておもっちゃうね。
ところで、私の知識にある範囲の方法に限定されるけど、盗み聞きの心配なし、だよ。
さっきのばにーさんも近くにはいないみたいだし。」
「それなら本題話せるわね。
あれから毎日少しずつ回復させていって、今では10万点以上になったわ。
それと、真の姿と仮の姿を使い分けられるようになったのよ。」
「それはよかった。使いわけられるならお昼でもあるけるね。
どんな感じになったのか、のーりょくしらべていい?」
「ええ。もちろんいくらでもどうぞ。」
「ありがとー。
それじゃ、かいせきー。
・・・にゃー。調べ終わった、ありがとー。
真の姿だと能力が全体的に強化されて暗視能力と物理軽減がついて、そのぶん光弱点と体力消耗率上昇が付くんだね。
ほかにもいろいろ変化するみたいだねー。」
「ええ。そうなるわ。
あ、真の姿になれるようにはなったけど吸血は一度もしてないしする予定もないから大丈夫よ。」
「エルフは吸血の対象になりにくいから、わたしは吸血については心配してないよ。
エルフの血を吸ったら逆にダメージ受けるから、吸血衝動起きてるときでもエルフの血だけは吸う気もおきないはず。普通の吸血鬼なら。
相手がレッサーバンパイアだったらエルフでも関係なく襲われるけど。」
「え?そうなの?
聖水みたいな効果があるってことかしら。」
「たぶん浄化の魔法で作った聖水くらいの効果。
ニンニクより少しだけ上。聖別された聖水よりはかなり下。
普通の吸血鬼だと、たぶん吸おうとは思わないくらいかな。」
「それなら安心ね。
シロちゃんにお礼言うために会ってて噛みついちゃったら本末転倒どころの話じゃないしね。」
「らー。そうだね、わたしのほうはかなり安心。
どっちかというと、まりあさんの状態のほーが心配。
真の姿で光に当たるとものすごいダメージ受けそうな感じ。
日光って一瞬だけ当たるって物じゃないしね。」
「そうね・・・。まだ状態をコントロールできなかったときに、ちょっと真の姿になりかかったみたいで、酒場に入ってきた光でかなりのダメージ受けてしまったわ。
完全に真の姿になった状態だったら危なかったかもね。」
「むー。
とりあえずは、仮の姿のままでいれば大丈夫ってことはたしかみたいだから、真の姿にならないよーにしてれば大丈夫ってことかな。
でも仮の姿だと普通に物理でダメージ受けそうだし、ある程度のダメージ受けることで真の姿になっちゃうとかあるかもしれないから、まず戦うよーなことにならないように方法考えたほうがよさそうだね。」
「人間が死ぬような威力の攻撃を受けたとしたら、仮の姿のままだったらそのまま死んじゃいそうだし、周りが明るければ真の姿になっても焼けるだけ、ということになりそうね。」
「らー。そうなりそうだね。
でも、仮の姿でいて戦わなければふつーに生活できそうなかんじにはなったってことだねー。」
「シロちゃんのおかげね。本当にありがとう。
なにかお礼にできることがあるといいんだけど・・・。」
「むー。
今は欲しいものとか別にないから、気にしなくていーよ。
あの時はごはん待ってる間ヒマだったから話してただけだし。
・・・そーいえば、ききたいことあった。」
「うん、何でも聞いて。」
「前回の場所からけっこー離れてるよね、この町。
ちょくせんきょりで45キロメートルから55キロメートルくらい?」
「えっと、距離まではわからないけど、カジノがある町から馬車で合計3日かかったわ。」
「馬車の普通の速さで3日、急ぐと2日らしいです。距離まではわかりません。」
「むー。
馬車のったことないからわからないけど、だいたいあってはいるのかな。
ありがとー。そろそろ眠くなってきたから、帰る。それじゃ。」
ゆっくりと店の外に向けて歩いていく…。
「まいどありがとう、また来てねー。」
「らー。おいしかったです、これたらまたきますー。」
「ごちそうさま、またねー。」
「ワインおいしかったわ。また来るわね。」
ちなみにマリアさんが飲んでいたワインの樽の大きさはだいたい10リットルくらいです。2樽で20リットル。
飲んだ後も体型に変化はありません。