安全に転がれるようになりました。
(ごろごろ)
「あ、白ちゃんが毛布にくるまって転がってる。
白ちゃん、おはよー。」
「おあよー。」
「おはよう。
転がっていたということは、また何か恥ずかしいことがあったのかしら?」
「きょーは、普通に、運動ごろごろ。
疲れたらそのまま寝れる、効率的。」
「なるほどそれは効率的・・・なのかしら?」
「らー。
たぶん効率いい。
このもーふ、かなりがんばって品質改良とか魔力注入とかいろいろやったから、転がり心地も前よりよくなってる。」
「あ、言われてみれば、かなりな魔力注入されてるみたいね。
例の下着と同じくらいかな?」
「濃度は下着より少ないみたいだけど、大きさが違うぶん総魔力ではかなり上じゃないかしら。
・・・ミスリルの加工以上の魔力で毛布を加工、って、相変わらずすごいことするわね・・・。」
「もーふは、寝るとき同じものをいつも使う。
下着は、ほかのに着替える日もある。
どっちを重点的に強化するのが効率いいかと考えると、とーぜんもーふになる。」
「えーっと、毛布より服のほうが重要なんじゃない?
毛布を使うのってだいたい寝るときだから、多少防御力上げてももし睡眠中攻撃されたらどうしようもないしさ。
そー考えると、防御が強い服のほう優先したほうがいいんじゃないかなと思うんだけど。」
「むー。
私の場合、服は多少防御力上がっても関係ない。」
「あ、なるほどー。
白ちゃんはエルフだもんね。敵になるよーな相手がいないのか。防御力以前の問題で。」
「らー。ぼーぎょりょく以前の問題だね。
それじゃ、続きしてるね。ごろごろー。」
・・・
「ごろごろおわり、きゅーけい。」
「おつかれさま。休憩用のお菓子ここに置いておくわね。」
「にゃー。あいあとー。」
「あー。今日からまた仕事かぁ。
白ちゃん、エルフの魔法で休み増やしたりできない?とか言ってみる。」
「できるよ?」
「へ?
できちゃうの?冗談だったんだけど。」
「らー。いろいろ方法ある。
まず、魔法でほかの職員さんの記憶とかいろいろいじって、二人とも今日は休日だったなーって感じに錯覚させる方法。
なぜか復活した例の図書館に二人が閉じ込められる方法。
わたしが魔力を軽く暴走させて、二人がほかの職員さんに「ここは私たちに任せてみんなは逃げて!」とか言ってから止めに来る方法。
緊急事態の時の特例「強制動員」をつかって勤務契約を強引に乗っ取る方法。
脅迫して人質として二人を借りてくる方法・・・」
「ちょっと待って。
なんかさ、かなり危ない方法ばっかりじゃない?
最初のとか完全に洗脳っぽいし。」
「せーしん攻撃は魔法の基本。
魔法で、っていう条件つくなら、最初に精神を責める方法を考えるのがいい、かも?」
「・・・ちなみに、平和な方法だとどんな感じ?」
「むー。
わたしが「職員が必要だから二人を借りたい」って交渉して、一日単位で借りてくる方法。かな。
そのぶん、少しお金払ったり素材作り手伝ったりしなくちゃいけなくなるとおもうけど。」
「えっと、たぶん、いや間違いなく、その少しお金払うって、私たちの給料よりは高いわよね?」
「らー。そうだね。給料よりはかなり高いはず。
でも、みーたんとはーたんは、しょちょーに話すれば給料増やしてもらえるだろうし、いいんじゃないかな?」
「えっ、給料ってそんな簡単に増えるものなの?」
「らー。
エルフの相手してるんだからもっと給料増やしてーって言えばたぶんすぐ上がるよ?」
「いや、それはさすがに言えないかな。」
「言えないわね。」
「み?
言っちゃだめなの?」
「んーと。
あたしたちは、好きで白ちゃんと一緒にいるわけだから、それを口実にして給料アップを要求するのもおかしいかなと。」
「そうね。給料のために一緒にいるわけじゃないからね。」
「むー。人間の人の世の中って、いろいろ難しいんだね。」
「そだねー。エルフの人の世の中もたぶん難しいんじゃないかなーと思うよー。全然知らないけど。」
「そーかも。わたしもしらないけど。」