満腹になりました。
「ただいまーっと。
まあ返事する人もいないんだけどさ。3人で出かけたわけだし。」
「らー。そうだね。
へんじがあったらこわいよね。」
「返事があったら完全に変質者よね・・・。
ほかの人が確保してる仮眠室に忍び込むとか、ふつう考えもしないわ。」
「ところで、さっきのショートケーキとかホットケーキから情報集めするって言ってたけど、なんかいい情報あったの?」
「らー。あったよ。
ふわっとしたかんじのこーげき魔法と、防御魔法と、あと料理に魔力入れる方法、おぼえた。
りょーりの練習すれば、効果だけならあれと同じくらいの作れるようになるかも?
味は多分無理だけど。」
「えっと、ショートケーキにかかってた強化魔法の効果はイマイチ、なんだよね?さっき言ってたことによると。」
「さっき食べてたんだから、今ちょーど効果出てるとおもうよ?
自覚症状が出るようなら失敗作だと思うけど。」
「うーん、あんまり変わった感じはしないなぁ。」
「気力が減ってた状態からなら回復してすこしやる気になったりするかもだけど、もともと元気な場合はあんまり変化ないはず。
実際はある程度の時間ほんのちょっと能力値上がってるらしいけど、そんなに気持ちが変わるほどではないかも。」
「そーなんだ・・・。
銅貨90枚もするわりに、けっこー地味な効果なんだねー。」
「らー。けっこーじみ。
でも、その「ほんのちょっと」で生き延びるとかいう可能性もあるし、そーいうの必要とするような人にとっては安い、のかも。
まあこんかいは、おいしかったしまほーも覚えたし、値段分以上の価値はあったってことでいいんじゃないかな?」
「たしかに、職人作業とかでも難しいものなら1回の成功失敗で銀貨何十枚っていう金額変わってくることもあるそうだし、安いのかもしれないわね。」
「うん、魔法3つ覚えて銀貨3枚以内ですんでるってのがたぶんめちゃくちゃ安いってのはあたしでも何となく見当はつくね。」
「とりあえず、きょーはおなかいっぱいになったから、ねるね。おやすー。」
「あれ、晩ごはんは食べなくていいの?おやつだけで満腹なの?」
「おなかいっぱい。きょうは、むり。たべれない。」
「そういえばいつもの食事の時に白ちゃんが食べてる量くらいはあったわね。あのホットケーキ。」
「あー、そういわれてみればそうか。いっつも一人前の半分いかないくらいだもんねぇ。白ちゃんが食べる量。
でも、なんかおやつだけでご飯なしってのは体に悪そうな気がする・・・。」
「むー。おやつ食べたときに致命的成功を出さないかぎりは大丈夫かな。」
「えっと、なんだか良さそうな言葉にも聞こえるし悪そうな感じもするね。どんな意味?」
「むー。普通に言うと、すごい成功?
でも致命的成功すると変なスキルが目覚めてしまうことがある。
たとえば甘いもの食べた時だと、「甘党」とか「お菓子依存症」とかのスキルに目覚める可能性があるらしい。
甘党のほうだとあんまり悪いこともないけど、お菓子依存症だといいことも悪いこともある感じ?」
「そんなスキルあるんだ・・・?」
「らー。スキルには、いい効果だけのものもあるけど、悪い効果もあるものもある。なかには悪い効果だけ、なんていうスキルもあるらしいね。」
「それは覚えないほうが良さそうだけど、偶然覚えちゃうってことね。」
「らー。そんな感じ。」