魔法の練習(ボール投げ)
「さて。
休みもあと半日しかなくなっちゃったわけだけど、何しよか。
白ちゃん、どっか行きたいところとかある?」
「むー。
きょーは魔法のれんしゅうしよーと思ってたから、行きたいところはないよ。」
「あ、そーなんだ。
ここでできるよーな練習?」
「らー。
これ、つかう。」
「箱に入ったボールね、ボールは二十個くらいかしら。
これをどうするの?」
「こうやって、袋から出したボールをばらまいてみる。
そして、箱は部屋の端においておく。」
「ふむふむ、そのあとはどーなるの?」
「そのあとは、こーやる。」
散らばったボールの一つに手をかざし、その手を上に振り上げる。
そのボールが上に飛んでいき、天井にあたって落ちてきた・・・。
「おおー。触ってないのにボール飛んだね。
これが魔法の練習ってことか。」
「らー。
ほんとは、箱の中ねらうつもりだったんだけど、うまくいかない。
これかられんしゅうしてみる。」
「ちなみに、これって、どんな魔法の練習になるの?」
「むー。
飛ばすっていう特徴のまま強くなったら、誰かに襲われそーになったときにふっとばせるくらいになるかな。
相手のケガとか気にしないなら、今の段階でもできるけど。魔力1万倍くらい入れれば威力もそれなりにあるだろうし。細かい威力の調節はできないけどね。
でも練習すれば、軽い骨折くらいで済むような吹っ飛ばし方ができるようになるはず。
逆に、飛ばすって方向からは外れるけど、精密に出力を変えられるようになれば、物を持ち上げて運ぶ魔法になる、かも。
重い物持ちたくないし、そっちの方面に行ければ一番いいかな。」
「なるほどー。
軽い骨折くらいならポーションで治るしねー。護身用にはいい感じの魔法になる予定、ってことね。」
「らー。本当の武器を隠すためには、軽めの技も持ってないといけないからね。ちゃんと練習してるよー。」
「そっかー。忘れてたけど、エルフ族ってかなり狙われやすいんだったねー。」
「らー、そうだねー。」
「はやてちゃん、そこは忘れちゃいけないと思うんだけど・・・?」