下着完成2
「えっと・・・。
うん、借りておくわね。ありがとう。」
「あたしも念のため借りておくね。
正直強すぎるような気はするけど。」
「み?」
「ん?
どーしたの?
なんか驚いた感じだけど。」
「むー。
着るの断られるかと思って、いろいろ対策考えてたんだけど、意外にあっさり着てくれるんだなーっておもった。」
「うーん、まあ見た目はかなり独特な感じだけど、着心地は良さそうだし、下着として着るなら見た目は問題ないしね。」
「普通のじゃないんだろうなとは思ってたけど、ちょっと想像を超えてたわね。
でも下着は見られることはないはずだし、問題はないわ。」
「それじゃ机のかげで着替えてくるねー。」
「らー。」
・・・・
「着替え終わったよー。
なんだか体力と防御力がものすごいことになってるんだけど・・・。」
「にゃー。
つよくなってるなら、良いことなはず?」
「そーだね。ありがとー。
・・・そういえばさ。白ちゃんは自分のは作ったの?」
「らー。つくった。メタルゼライムぱんつ。」
「・・・えっと。
メタルゼライムの柄はやめた方がよかったんじゃないかな、と思うわ。」
「み?
メタルゼライムの絵はダメなの?」
「人間にはモンスターが原因で亡くなってる人、かなりいるからね。
心の傷をえぐることになっちゃうことがあるから、ブルーゼライム以外のモンスターを描いたものを身に付けるのは基本的にタブーになってるのよ。」
「むー。
そーいわれてみれば、クマとかの絵は見たことないね。」
「熊!?
熊なんかはかなりの人にとって「親の仇」とか「兄妹の仇」とかになっちゃうから、よっぽどのことでないと身に付けることはないよ。」
「でも、メタルゼライムは攻撃してくることはないって本に書いてあったけど。」
「えっとね。
攻撃してくることはないんだけど、けっこーはやい速度で逃げるらしいのね。
んで、倒すことができれば、金属鉱石が手に入るらしい。
運が良ければものすごく高く売れる鉱石が取れることもあるから、最優先で狙う人が多い。
そして、メタルゼライム追いかけてる間に他のモンスターに殺されちゃう人も時々いるらしいのね。」
「むー。
そのはなしだと、あんまりゼライム関係ないような気がする。
そのくらいでだめなら、冒険者協会の剣のマークとかだってダメ。だよね。」
「あー。たしかに、メタルゼライム追いかけて殺された人と、剣で殺された人だったら、どう考えても剣のほうが多いよね・・・。」
「らー。そうだよね。
だから、メタルゼライムの絵をつけたのを身に付けてても良い、ってことになる、よね。」
「うーん。そうなる、かな?」
「それいぜんに、他人のぱんつの柄を見てショック受けたとしても、誰にも言えないだろうし、そんなところまで気にしなくてもいいと思う。」
「・・・たしかに、あなたのぱんつの柄を見てショックを受けたので着替えなさい、とか言えないだろうし、そんな覗きするような相手にまで気を使う必要はないよね。」
「らー。言えないね。
でも今回のはわたしにとってはあんまり役に立たない感じの効果だったから、ふつーのにきがえるね。
きごこちいいのと安全なのだけ確認できればじゅーぶん目的は達してるから。」
「あ、そーなんだ?」
「らー。そーだった、です。
今度改良して新しいメタルゼライムぱんつ作るかもしれないけど、今回作ったのは着ない。」
「改良後もメタルゼライムぱんつになるんだね・・・。」
「らー。
見たことあるでざいんのほうが作りやすいから。
てきとーにデザインすることもできなくはないけど、わざわざ下着見せることもないだろうし、わかりやすいデザインで作ってみるー。」