下着完成
地下3階、実験室。
来客の気配に、エルフが顔を上げる。
「むにゅ?
むー。みーたん、あと××・・・。」
寝言のように言って、また机に突っ伏して眠ってしまった・・・。
「あら、寝ちゃったわね。
毛布敷いてあるみたいだから、そこに寝かせておきましょうか。
いつも通りだと、自然に目が覚めるまでは多少のことでは起きないし。」
・・・2小刻(10分くらい)経過。
「むー・・・。
み?おあよー。」
「おはよう。
編み物の練習、うまくできたかしら?」
「らー。終わったー。
うまくできたよ。」
「それじゃ、仮眠室に戻りましょうか?」
「らー。いきましょー。」
・・・
「おかえりー。」
「ただいま。」
「たらいー。」
「編み物練習終わったの?」
「らー。できたー。
いま、だすね。」
銀色に光るTシャツのような物が2着、机の上に立てられた。
横には同じく銀色に光るパンツが置かれている。
「気のせいじゃなければ、金属に見えるんだけど・・・。
ハンガー無しで直立するシャツなんて初めて見たよ。」
「らー。金属。気のせいじゃないよ。」
「編み物の練習してたんだよね?
それなのに、なんで金属?」
「あみものでれんしゅーして、金属で作った。から。」
「いや、金属でシャツ作っても仕方ないよね?」
「ミスリル糸で作ったから、ちゃんと着れるよ。
着心地も悪くはない、はず。
持ってみればわかる。」
「どれどれ。
うわ、軽い。
持つと柔らかくなるんだね、これ。手触りすごくいいんだけど。」
「きんぞくの防御力と、布の軽さと、ついでに軽めの魔法耐性と体力強化もついたそーび。
軽くするのに防御を犠牲にしてるから、物理防御は普通のプレートメイルと同じくらいしかないみたいだけどね。
まだ加工に慣れてないから、あんまり強い効果はつけれなかった。だからこの程度。」
「いや、プレートメイル並みの防御力で魔法耐性ついて体力強化で布の軽さ、って、強すぎでしょ普通に。」
「らー。下着と考えれば、けっこ―強いと思う。
それなりの実力ある人に見られたらすぐ再現される程度の材質だから、表に見えるようにするのは危険が大きい。
だから、下着にしとけば、もともと隠すものだから自然に隠せる。」
「下着がプレートメイル並みに固いの・・・?」
「らー。
しょーげき受けた時だけ良い感じに硬くなるよ。
着てない部分にあたっても簡易障壁機能である程度防げるー。」
「そーなんだ・・・。」
「あの、ミスリル糸って、ミスリルから作るのかしら?」
「らー。
ミスリルを魔力でほぐして糸状にしたもの、だよ。」
「もしかして、もしかしなくても、この下着作るのにものすごい金額かかってる、わよね?」
「むー。
この前買った原石から作ったものだから、使った量からすると銀貨何枚かってくらいじゃないかな?
高くはない、と思う。」
「えっと、原材料が安くても、できた服の価値はものすごいことになってるわよね。
借りるの怖いと思っちゃうんだけど・・・。」
「むー。
作り方わかれば簡単に作れるてーどのものだし、たぶん作り方広まったら、材料より安くなるくらいだとおもうよ。
身を守るために、着ててほしいな。
みためも今度改良して普通の服の色にするから。」
「えっと・・・。
うん、借りておくわね。ありがとう。」
「あたしも念のため借りておくね。
正直強すぎるような気はするけど。」