ゲーム開始前。怪しい依頼。
白姫の自室。
・・・電話が鳴っている。
「読書中に電話をかけてくるとはいい度胸です。
ピーという発信音のあとにお名前と辞世の句を詠んでください。」
「お前は年中読書中だろ白姫。」
「知ってるなら電話なんかかけてこなければいいのです。
それとその呼び名はやめてください。
はなはだ不本意ではありますが兄妹なのですから。」
「まあ知ってるが。
いつも本を買う資金に困ってることも知ってるんだぜ。」
「・・・依頼は?」
「3日間、VRゲームの長時間ログインと高速回復システムの実験台。モルモットだな。
文書データ持ち込み自由だから、本を読みながら金も稼げるぜ。」
マッドサイエンティストにしては良い依頼ですね。
本を読みながら、というところが気に入りました。
「報酬しだいで受けましょう。」
「報酬は時給2000円。体感時間1時間につきだ。
体感時間が実際の時間の3倍になるように設定する予定だからリアル時間1時間6000だな。
リアルで72時間たったらこっちから強制ログアウトさせる予定だが、途中でお前の方でログアウトしてもいい。
その場合はログアウトまでの報酬しか出ないがな、当然だが。
肉体のほうは希望するならコールドスリープ設備を予約しておこう。」
「まぁまぁですね。
まあいいでしょう、受けますよ。
コールドスリープの予約もお願いします。」
「ありがとな~。
お前は最高のモルモットだぜ~!」
「それ褒めてないですからね!」