調合と質問
地下3階、実験室。
エルフが、毒々しく濁った色の液体が入ったビンを持って、首をかしげている・・・・。
「これも失敗か。
まあこれは失敗作だけどいざというときの護身用には使えなくもない、かな?
このランクの薬は失敗した時にちょっと危ないのができちゃうから、鍋一杯分合成、とかできないから面倒だなぁ。
ビンをちゃんと使って密閉しとかないと、気化した分の成分で死にそうだし。
魔力で抵抗できる毒ばかりとも限らないし、仕方ないかな。
でも、Sランクのふつーのポーション合成できるようになるまで、いったい何本危険物ができるのかって考えると、ちょっときもちがくらくなるかんじ。
まあとりあえずビンも普通のビンの材料でいけるよーになったし。
あとは数試してみて実力付けて行けばそのうち成功するよーになるのかな?」
薬が入ったビンをアイテムボックスに投げ入れ、おなかを軽く押さえる。
「そろそろおなかがすいてきたから、もーちょっとで二人とも帰ってくる時間かな。
食べた量から考えると、ちょーど良い時間にお腹がすく計算だったし。
仮眠室に戻っておこう・・・。」
・・・
「たっだいまー。」
「白ちゃん、ただいま。」
「おかぁいー。
きょーは5の曜日だから半日だったんだねー。」
「そだよー。
今週の仕事は無事終了。今日の午後と明日一日は自由時間なのです。めでたい。」
「にゃー。それはうれしいね。」
「そだねー。
さて、今日は何しよか。」
「えっと、その前に、白ちゃんに少し聞きたいことがあるんですが、聞いてもいいですか?」
「み?
なんだかいつもと話し方違う?
どーぞー。答えられるものなら答える。」
「エルフ族って、体の成長がかなり遅いんですよね。」
「らー。そうらしいね。」
「ということは、たぶんだけど、白ちゃんは私たちより年上っていうことに、なりますよね?
それなら、今までみたいに子供を相手にするような態度をするのは失礼だったんじゃないかなと、思ったんですが・・・。」
「むー。
所長が言ってたことによると、少なくともおとなのエルフは、何十年くらいではあんまり見た目変わらないとかなんとか言ってたような気がする。
でも、ちいさいころから成長遅いのか、大人になってから止まるのかがわからないから、私の年は見当もつかない。
二人と会うまでの記憶、あんまりないし。アレが関係する記憶はなるべく忘れるようにしてるから、小さいころの記憶はあんまり残ってない。
ていねいに話されても、私には聞き取りにくくなるだけだし。
それに、ねんれいとか気にするの、人間族の人だけだし。
だから、今までどーりがいい。」
「あら、それじゃ、今まで通りにするわね。」
「にゃー。やっぱりそのしゃべりかたのほーが、聞き取りやすい。」
「あたしも聞きたいことあったんだけど、聞いて良い?」
「らー。どうぞー。」
「いまさらだけどさ。白ちゃんの今の目的っていうか、そんな感じの、って何かな?
あたしらで協力できるよーなことあったりする?」
「むー。
いまのところだと、本を読む、おいしいものたべる、眠くなったらねる、ぽーしょんつくる、まほーきたえる、って感じかな?
あと、今日はお買い物行きたい。あとなぽたん食べたい。」
「魔法、って、鍛える余地あるのかな?めちゃくちゃ魔力強いんだよね、今の時点で。」
「どのくらいの効き目なのかわからないまほーがいくつかある。
試し打ちできるよーなところあればいいんだけど、たぶんものすごい広いところがないと無理かな。」
「なるほどー。
んじゃ、今日のところはお買い物とナポリタン食べに行くってことでいいかな。
帰ってから本読みする場合はあたしらで本を運ぶの手伝うってことで。
あと、試し打ちできそーな場所の情報は今度調べておくね。」
「らー。
おなかすいた。はやくいこー。」
「よっし、行こう。
急ぎならおんぶしていこうか。白ちゃんが歩くよりはかなり速いし。」
「あいあとー。」