エルフは怖い種族らしいです
「ただいま、白ちゃん。
あら、本読んでたのね。」
「やっほー。戻ってきたよー。
あら、返事がないね。」
「本に集中してるのかしら?」
「そーみたいね。」
「もしもーし。」(つんつん)
「戻ってきましたよ~。」(ぷにぷに)
「お菓子の時間だよー。」(もみもみ)
「・・・・どこまで集中していられるかな~?」(きらーん☆)
「ストップ。それ以上はさすがにいけない。」
「さてさて。
理性と自制心を失いかけてしまうという軽いアクシデントはあったけど。
読み終わるまでもうちょっと時間かかりそうだし、いまのうちにこれからのこと考えときましょか。」
「えっと、役所とかここの本部とかに報告するんでしょ?」
「いや、それでもいいんだけどさ。
考えてみたら、最低限の意思疎通ができない状態で誰かに預けるのは、かなり危ないと思うんだよね。
『エルフ』の情報って昔話とかの物語が主で、普通の歴史書にはほとんど出てこないんだけどさ。
話半分に考えたとしても、エルフ族敵に回すくらいなら、ドラゴン族敵に回した方がマシ、らしいのね。
だから、味方につければ最強だぜ、って考えてすり寄ってくるとか。
騙して契約して手下にすれば無敵、とか。
エルフを倒せば大手柄だぜ、とか。
まーいろいろ変な考えのが現れることは間違いない。
使鬼神使いとかだと、持ち主を殺せば自分のものになる、って考えてるのとかいたりするらしいし。
そしてあたしは死にたくない。」
「それなら、とりあえず最低限の人が知る状態にしておいて様子を見るのがよさそうね。」
「・・・とりあえず所長かな。」
(ぱたん)
「あ、読み終わったみたいね。本閉じてる。」
「あ、恥ずかしがってる。
そしてその後目が輝いてる。」
「セクハラと、お菓子の時間という言葉に反応したのかしら?」
「今ごろっ!?
そしてなんでお菓子はわかる!?」
「とりあえずおやつの時間が先のようね。」