表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/446

チケット引き換え+解読開始

仮眠室の隅に座って、エルフが本を開いている…。


「むー。かいどくしっぱいしてたからよかったけど、これせいこうしてたらめんどーなことになってたかも。」


「やほー。おはよー。」


「おあよー。」


「あれ、なんか本読んでた?

めずらしいね。ゆっくり読んでるのは。いつもはばーっとめくって終わりって感じみたいだし。

何の本読んでたの?」


「おうぎしょ、だとおもう。」


「奥義書、っていうと、ものすごい技の出し方が書いてあるやつ、だよね。」


「らー。たぶん、そーいういみだとおもう。

ひょうしには「ちいさなおくりもの」と、「なまあたたかいいき」ってかいてあるみたい。ふたつかいてあるほんなんだね。」


「・・・奥義書、なんだよね。それ。なんかどっちも強そうにはきこえないけど。」


「らー。おうぎしょだよ。たぶん。

でも、むずかしいほんには、ひょうしとなかみがちがう、ってこともよくあるし、とりあえずよんでみるー。」


「おー、がんばれー。

 覚えた後に、見せてもいいような技だったら見せてね~。」


「らー。

 みせられそうだったらみせるー。」


「そんじゃ仕事行ってくるねー。」


「いてらしゃー。」





「むー。このほん、けっこー、むずかしい。

にんげんごのれんしゅうしながら、とかいってられるむずかしさじゃなさそうなかんじ。」


エルフ語のほうで考えてみることにしよう。


まず、この本は『魔導書』、つまり読んだ者にスキルを刷り込む機能付きの本だった。

図書館にはそんなものがあるわけないし、初めて見たな。

そして、引き換え券の説明文通り私の能力では「習得不可能」だったおかげで、刷り込みからは逃れることができた。

私の場合はまず能力値が一般とはかけ離れているわけだから、普通の人間が使う技そのまま刷り込まれても記憶力の無駄でしかないしな。良かった。

刷り込み機能は潰しておいたから、現在この本は刷り込み機能なしの「魔道書」になった、ということになる。

あとは、少し警戒しながら読んでみることにしようか。

内容自体に暗示などの仕掛けがないとも言い切れんし。


まず、『小さな贈り物』のほうは、知力不足か。

魔法攻撃系の技らしいな。おそらくだが。

本人の能力ではなく、装備で底上げした後でもいいようだから、装備や道具などを整えてからなら使えるかもしれんな。

とりあえず、説明文だけ覚えておくことにしよう。


『生温かい息』のほうは・・・

刷り込み失敗の時に感じた感覚によると、種族適正、能力値など、いろいろと足りていないようだ。

特殊な攻撃、らしい。

技の仕組み自体はかなり簡単なもののようだ。前提条件が満たせないだけで。

とりあえず詳しい情報を読み取って、場合によっては技の仕組みを組み替えるかなにかすれば使えるようになるかもしれん。

 まあ自分が使えなくても敵が使ってきた時の対策をとれるという点では無駄にはならないだろうし、とりあえず考えてみて損はない、か。


うーむ。

久しぶりにエルフ語を使ってみると、逆に違和感があるものだな。


「・・・まじめ、おわりっ。

でも、えるふごわすれないてーどに、ときどきえるふごもつかっとかないと、かえったときにこまりそうかも?」



「そーびのほうのちけっとは、なにがでるかなー。」

『引き換え』


チケットが一瞬光ってから消え、その代わりに銀色の糸のようなもので編まれた輪が現れた。


「み?

なんだっけ、これ。うでにつけるかざりかな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ