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ドワーフの集落で2

 第83話「ドワーフの集落で」の続きです。

 本編とは時系列は一致しません。

ドワーフの集落近くの鉱山。

いつものように、ドワーフたちが採掘作業を続けている・・・。


「ガキども、そろそろ晩飯だからきりいいとこで片づけ始めとけよ。」


「おう、わかったぜ兄貴!」


「了解です兄さん!」


片付けを終えて、大食堂に移動する。

何人かのドワーフたちが酒盛りを始めている・・・。

巨大なジョッキを持ったドワーフが話しかけてきた。


「よう、ガキども、お疲れ。」


「兄さん、お疲れさまです。」


「お疲れっす兄貴。」


「今日は宴会だからお前らも遠慮なく飲んでおけよ。

 ドワーフの宴会は出てる酒がなくなっちまえば終わるからな。速いもん勝ちだ。」


「おお、遠慮なくいただきます。」


「ごちそうになります。でも、おとといも宴会してましたよね・・・。」


・・・(しばらく経過)


「兄さん、私たちはそろそろ失礼して休みます。」


「なんだ、まだ酒残ってるぜ?」


「いえ、もう充分いただきました。」


「調子悪いんだったら言っとけよ。良い酒持って行ってやるから。」


「えっと、私は調子悪いときはお酒は飲みません。」


「そうなのか?変わったやつだな、お前。

 普通調子悪い時にはいい酒をガーっと飲めば直るだろ。」


「良いお酒なら調子がいい時に飲みたいですね。」


「まあ調子いい時も飲むけどな。

 とりあえず、調子悪いとかではないんだな?」


「はい。体調は良いです。」


「それならいい。ごくろーさん。おやすみ。」


「おやすみなさい。」


挨拶を終えて食堂から離れ、人気のない場所に移動する。

何人か、「仲間」が集まってくる・・・。


「そんなわけで、今日もこの集落のゲーム組一人も欠けることなくお仕事完了~。お疲れさま~。」


「お疲れさまでした~。」


「お疲れ~。」


「毎日思うんですけど、誰を呼ぶにも兄さん、っていうのは違和感を感じますね。」


「ああ、たしかに。

 同じ山の鉄を掘るのは家族だ、って考え方らしいけど。」


「正確に言うと、誰でも兄貴なわけじゃなくて、トップが「親父」、自分より格上なら「兄貴」、同格なら「兄弟」らしいよ。

 そして私たちみたいな半人前はひとまとめで「ガキども」だね。

 年齢じゃなくて、鍛冶の実力によって決まるから年下の兄貴がいてもおかしくないみたい。」


「ドワーフの年齢の区別つかんし、そのへんは違和感ないんじゃないかな。男はみんなヒゲでオッサン顔だし、女はみんなちっこいし。

 まず自分の年齢設定がわからない。」


「本人たちも歳知らないことが多いみたい。

 年齢聞いたら、ものすごく大雑把な答えだった。」


「それにしても、本当に鍛冶の仕事ばっかりするんですね。ドワーフって。」


「そうだな。朝食前の軽い採掘、洞窟内で朝飯、昼まで本格的に採掘。

 んで集落に戻って昼飯、午後は加工作業か採掘。晩飯の時には酒が出る。重要。」


「そして、生活費はかからないけど、起きてる時間は食事以外はほとんど作業時間。

 労働基準法とか無さそうだしね。」


「ああ、逆に、ドワーフの場合は、掘ることが遊びであり休憩であり仕事である、っていう考え方らしい。

 掘らせてもらってる、っていう立場なわけだね。私たち「ガキども」は。」


「まあこれだけ長時間やってればそのうち実力も上がって一人前になれるかも。」


「他の住人も同じ生活してるから、時間では同じだろうけどね。

 兄貴たちだって、普段やってるのも鍛冶なのに、ヒマつぶしって言ってまた鍛冶作業始めてたりするし・・・。」


「飽きたりしないのかなぁ。」


「飽きないんでしょうねぇ…。」


「でも、一人前と認めてもらうまで出れないみたいだから、僕たちもあの人たちに負けないようにしないといけないんだよね?」


「そのようですね。

 男女関係なしに、ある程度の鍛冶の実力がないと子供扱いで、集落から離れるといろいろな方法で捕まるみたいですし・・・。」

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