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じっけん。かるふぇをのんでみる。

地下3階、実験室。


「むー。

 もうすこしだけ、たさないと、つりあわないか。」


真新しい調合道具の中から、天秤ばかりとビーカーを使い、慎重に液体の計量作業を行っている・・・。


「これでちょーどはちじゅーぐらむ。

 ただし、てんびんのおもりのすうじがぐらむをいみしている、おもりのおもさがただしいというふたつのかていがせいりつするばあい、だけど。

 でも、くみあわせるざいりょうぜんしゅるいをおなじおもりではかっておけば、かんせいひんのりょうにかんしてはまちがっていても、せいぶんのわりあいにかんしてはそーてーどーりになる、はず」


もう一つのビーカーに入っていた黒っぽい液体と、今計量していた白い液体とを混ぜ、その液体から離れるように部屋の端まで移動する・・・


「まぜたら、においをかがないようにはなれて、よーすをみる・・・。」


ハンカチで口を覆い、しゃがみながら液体を見つめる・・・。


「・・・とりあえず、ちょうごうせいこう、かな。

 いろもよていどおりだし。へんなけむりとかもでてないみたいだし。」


ゆっくりと近づき、混ぜた液体の入ったビーカーを手に取る。


「これで、あとはききめがあるかどうかためすだけ・・・」


ビーカーを持ったまま、目を閉じる・・・。


「このえきたいにどくせいがあるかくりつ。

 どくせいがあるばあいこののうどでじょうたいいじょうになるかくりつ。

 そのじょうたいいじょうがわたしにとってちめいてきであるかくりつ。

 それらをかんがえると、せいぞんりつは990ぱーみるはこえるはず。

 かけてみるかちはある。」

 

ゆっくりと、液体を飲み始める・・・。


小さくドアをノックする音が聞こえた。


「み?あいてまーす。」


「やっほー、おはよー。

 今日も実験中かな?」


「はーたん、おあよー。ちょーどいいとこに。

すこし、てつだってもらっていい?」


「いいよー。

 何手伝えばいいの?」


「HPひょーじ、しておくから、いまからHPへってわたしがうごけなくなったら、そこのあおいびんのなかみ、かけてくれる?」


「え・・・

 これって、ポーションだよね?ビンの中身。」


「らー。そーだよ。」


「ポーション必要になるほど体力減る、って、いったい何飲んだの!?

 このビーカーの中身?」


「かるふぇまめのちゅーしゅつぶつをにじゅーぐらむ、はちじゅーぐらむのみるくとまぜたもの。

 ちょーごーせいこうしたらしい。おいしかった。」


「・・・えっと。

 カルフェ豆の抽出物、って、ふつーにカルフェだよね?

 それをミルクと混ぜて調合成功、って言うと、カルフェミルク?」


「らー。そーだよー。

 ちょうりのすきるをもってなくても、ちょうごうのすきるがあればつくれるみたいだね。」


「いや、そーなのかもしれないけどさ。

 ふつーに食堂で頼めばよかったんじゃないの?」


「ふつーのみせで、たのんだのみもののんだあとにぽーしょんとかげどくざいとかのむとか、たおれるとかしたら、ただのえーぎょーぼーがい。

 だから、じぶんでつくれば、だいじょーぶ?」


「え、ポーションとか解毒剤、って、カルフェ飲むのになんでそんなもんを?」


「わたしはのんだことないし、どーいうはんのうになるかは、わたしにもわからなかった。

 もともといたくにには、にたようなのみものあったけど、ちょっとどくせいあるのみものだったし。

 だから、こっちのにもどくがふくまれているかのうせいもあるとはんだんして、ねんのため、いろいろたいさくとってた。でも、だいじょぶだったみたいだけど。」


「毒は入ってないと思うよ。

 エルフの国のカルフェは毒が入ってるってこと?」


「むー。

 えるふのくにじゃ、ないよ。

 もといたくにのかるふぇみたいなのみものは、ふつーにのむくらいのりょうだと、ちょっとめがさめるくらいのしげきになる?

 ちょうしわるいときにのむと、もっとちょうしわるくなっちゃったりはするけど。

 でも、このうつわでひゃっかいぶんくらいまとめてのむと、たぶんしぬ?」

 

「それじゃ、ドワーフがお酒飲む時みたいに大量に飲むんじゃなければ大丈夫、ってことなのかな?」


「らー。そんなかんじ。」


「その「カルフェみたいな飲み物」には、毒耐性でもつけるために何か仕込んでるってことなのかな?

 この国では、たくさん飲んだら危ない、っていうくらいの毒でも、ふつーの飲食店では出さないはずだよ。」


「むー。

 どくたいせいはたぶんつかない、かな。

 あと、たくさんだとあぶない、っていうものをさけると、なにもたべるものなかった。

 だから、すこしならあぶなくないもの、だったら、へーきでたべてたよ。」


「え、全部毒入りだったってこと?」


「むー。

 いちどにたくさんだとあぶないもの。

 ながいきかんでたくさんだとあぶないもの。

 どくじゃなくても、そーいうのもいろいろとあった。」


「怖いこともあるんだねー・・・。」


「たくさんじゃなければ、だいじょぶ。

 そんなに、たくさんたべるひととかもあんまりいなかったし。」


「へー、それじゃドワーフはいなかったんだね。」


「いなかったとおもう。

 ・・・そろそろ、だいじょぶみたい。たいりょくへらなかった。」


「それはよかった。

 でも、そーいう危ないかもしれないことをするときには、あたしかみやっちにちゃんと話してからやってね。

 あたしたちだって、ポーションなげるくらいはできるんだから。」


「むー。

 はなしてだいじょぶなときは、はなす。」

990パーミル=99.0%です。


 「ゲーム」内アイテム設定

 カルフェ・・・リアルの「コーヒー」に似た、別の飲み物。飲むと一時的に眠気を減らすことができる。

 ミルク・・・リアルの「牛乳」に似た液体。製造法は謎に包まれている。

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