二人は仕事に行くようです
(けぷ)
「あ、食べ終わったっぽい。」
(ぺこり)
「××××」
「お礼を言っている、みたいね。たぶんだけど。」
「お礼をするというのなら、なーでーさーせーろーーー」
(びくっ)
「うん、やめときましょうね。それは。
あとずさってるわよ、白ちゃんが。」
「うん、そのオーラもやめとこうか。
あたしが命の危険を感じるから。」
「変な感情出さなければ、なでるくらいはさせてくれるんじゃない?」
「え?どこまでならセーフ?
なでる場所的な意味で。」
「その発言がアウト。」(ずびしっ)
「やーらーれーたー。
痛いわマジで。」
「あ、そろそろ仕事始めないとだめな時間だね。
目覚めの刻まで、どこで待っててもらおうか。
入館許可証は持ってないだろうし、連れて仕事するわけにはいかないよね。」
「託児所を使ってみましょう。
託児所には絵本とか積み木とかいろいろあったはずだし、時間まで遊んでてもらいましょう。」
「そだね。絵本の字は読めないだろうけど、絵を見ることはできるしね。
白ちゃん、ここで少し待っててくれるかな?
あ、みやっち。時計ってエルフと同じだと思う?」
「え?
えーっと。違うかもしれないわね。」
「言葉自体違うしね。しかたないか。
白ちゃん、あれ見てね。時計。わかるかな?
今が 『囀りの刻』で、あたしたちは『目覚めの刻」』になったら戻ってくるからね。
絵で描くとこんな感じ。」
「これになったら戻る。わかった?」
「らー。」(こくり)
「あ、なんだかわかったみたいね。」
「通じてるといいね。
よっしゃ、仕事行くよ~。
今回は休み時間まで仕事残したりできないから気合入れていこーね~。」
「囀りの刻」=6時くらい。
「目覚めの刻」=10時くらい。