鉱石加工
「よいしょ。
これでぜんぶあいてむぼっくすにはいった。
みーたん、はーたん、あいあとー。」
「やっと運び終わったね~。っていっても、一部屋ぶん移動したあと白ちゃんのアイテムボックスに入れただけだけど。」
「アイテムボックスが堂々と使えるなら楽なんでしょうけどね~。」
「らー。そだね。
こんど、やりかたかんがえてみる。」
「まあ無理はしないようにね~。
配達頼んでも問題ないくらいに予算はあるんだし。」
「たしかに、危険性を考えると、配達代節約よりも不用意に情報を見せない方を優先したほうが良いかもしれないわ。」
「むー。そーかも。」
「そいえばさ。
鉄は例の指輪とかの材料に使えるってのはわかるんだけど、その石ころはなんに使うの?ずいぶんいっぱい買ってたみたいだけど。」
「ちょっとためしてみたいことあってかった。
おかね、ぎんかひゃくまいしかもっていってなかったから、かえるかどーかっておもったけど、ねびきしてくれたからかえた。
のこりはあいてむぼっくすのなかだったからだせなかったし。めだつところでは。」
「え・・・。
銀貨、100枚?」
「らー、そだよ。さっきのけんと、いしと、あわせてひゃくまい。」
「えっと。石、だよね?」
「らー。いしだよー。」
「あの石、そんなに高い物なの?」
「ふつーにかうと、もっとたかい、とおもう。
でも、これからためすじっけんのけっかによるけど。
きょうは、いしのほうのじっけんしてみる。
ちかごかいにいってくるー。」
「あたしも見に行っていい?」
「らー。どうぞー。」
地下5階、特殊実験室。
部屋の両端は一段高くなっており、高くなっている場所には、石でできた大きな鍋のようなものが、いくつも置かれている。
鍋の側面下の方には石の栓がしてある。栓を抜くことで鍋の中身を下に置いたほかの器に移すことができるようだ。
「たぶんだいじょぶだとはおもうけど、ねんのため、はなれてたほうがいいかも。」
「あ、うん、離れた。このくらいでいいかな?」
「むー。
たぶんだいじょぶ、とおもう。
はじめてのじっけんだから、よくわからないけど。」
「ごめん、念のため、もうちょっと、じゃないか、遠くまではなれるね。」
「らー。わかったー。」
「準備できたー。いつでもどうぞー。」
「らー。それじゃはじめるー。」
段差を登り、鍋の上に石を持った手を伸ばし、目を閉じる。
「まず、いしのちいさいのをもって、ひとつめのいれもののところにいく。
そして、ほんのちょっとだけまりょくいれて、いらないせいぶんをとかしていく・・・。」
手に持った黒い石から、黒く濁った液体が溶けだしていき、下の容器にたまっていく…
手に持った石の色は黒から、赤錆色へと変化する・・・。
「このくらいかな。
つぎは、にこめのなべで、ちょっとだけまりょくいれて、てつをとかす。」
赤錆色の石から、赤く光る液体が溶けだしていき、下の容器にたまっていく…
手に持った石は銀色に変化する・・・。
「そしてさんこめで、おおめにまりょくいれて、ぎんをとかす・・・。」
銀色の石から、銀色の液体が溶け出していく。
手には、少し小さくなった銀色の石が残される・・・。
「こーやってのこったものが、みすりる。
かなりひんしついいこうせきだったみたいだね。これ。」
「ミスリル、って、めちゃくちゃ高いよね?値段。」
「らー。そうだね。
げんせきでも、このひんしつだと、すごくたかいはず。」
「ひょっとして、銀貨100枚って、安かったの?」
「らー。やすいとおもう。
たぶんいまはかこうできるひとがすくないから、やすいかんじなのかな?
でももっとねぎろうとおもえばねぎれたとおもうけど。」
「そーなの?
それじゃめいっぱい値切っておいた方がよかったんじゃない?」
「むー。
いいものには、あるていど、たかめにはらうのが、いいかんじ?
けーざいがうまくまわらなくなるのは、あんまりよくない。」
「けーざい、かぁ。
目先のことじゃなくていろいろ考えてる感じなんだねぇ。」
「あんまりかんがえてないかも。
こーいうときはこーするって、こうどうをぱたーんかしているかんじ。」
「いや、こーいうときはこーするってあらかじめ考えてる、ってのは、すごく考えてるってことになるんじゃないかな?」
「み?そうかな?
むー。そうかもしれない、かも。」
ちなみに、ギルド買取は基本的にアイテムの価値(標準価格)の10分の1程度の金額になっています。(一部例外はあります)
そのぶん、供給が大幅に増えて市場価格が下がった場合でもある程度安定した価格で買い取ってもらえますし、買い手を探すのが難しい物でも即金で買い取ってくれます。
逆に言うと、買い手がすぐ見つかりそうで相場が暴落していない物なら、普通に売り手を探した方が大幅に高く売れます。
今回の石の場合、
精密鑑定は有料なので簡易鑑定にした→簡易鑑定は『最低限この価値はある』というレベルを判定するものなので実際の価値よりかなり下に判定される場合がある。(鉱石は特に誤差が出やすいので安めに鑑定される)
そのうえ10分の1で計算されるので、12枚という鑑定結果になってます。精密鑑定ならかなり高く判定されたはずです。手数料も高いですが・・・。