仕入れ終了
みやが連絡用の笛を吹いてしばらく待つと、牛に引かれた荷車が現れた。
荷車を引く牛は、極端に足が太くなっている。
荷車部分に乗っていた御者が下りて挨拶をする。
「お待たせしました。
配達のご依頼でしょうか?」
「はい。この二つの荷物を帝国中央図書館の第一書庫近くの通用口まで配達おねがいします。
こちらの箱はかなり重いと思いますが、大丈夫でしょうか?」
「ちょっと持ち上げてみてよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ。」
「それでは。」
箱を軽々と持ち上げる・・・。
「こちらの箱は重さ150キロ前後のようですね。
もう一つはこれより軽いということなら、2箱合わせて25チップで配達できます。」
「はい、それでは25チップどうぞ。」
「料金25チップ、たしかにお預かりしました。
それでは、帝国中央図書館通用口まで、宛名「みや」様でお届けします。」
「お願いします。」
「おねがいしますー。」
荷車を引いた牛が、ゆっくりと歩きだす・・・。
「うーむ。
同じ町なのに配達に銅貨25枚もかかるんだねぇ・・・。」
「あの量を自力で持って帰ろうとしたら半日では済まないでしょうから、仕方ないんじゃないかしら。」
「ああ、そういわれてみればそうかもね。
逆に25枚で済むのがすごい、のかも。」
「あのはこをかんたんにもちあげる、ちからもちなひとだったね。」
「そうだねー。
ところで、荷物は片付いたけど、これからどうしよか?
食料確保したわけだし、どこかで食べてからまた歩いてみる?」
「むー。
ちょっとおなかはすいてるけど、それよりもねむさがつらい。
たぶんたべるとちゅーで・・・くぅ。」
「あ、寝た。」
「食べる途中、までもたなかったわね。」
「んー、どうしよか。
とりあえず買い物は少ししたわけだし、今回は帰ろか?」
「そうね。
無理することもないと思うわ。」
「それじゃ今回はあたしが白ちゃんを背負うね。
よっこいしょっと。」
「それじゃ私は食料持つわね。
つらくなったら交代するわ。」
「りょーかい、ありがと~。」
・・・
「と~ちゃくー。白ちゃん、着いたよー。」
「はやてちゃん、おつかれさま。」
「むにゅ・・・。
み? ねてた。」
「白ちゃんが買った荷物も届いてるみたいだね。
とりあえず手分けして運ぼうか。外から見えないところまで。
その後はアレ使って運べばいいわけだし。」
「そうね。少しずつなら私たちでも運べそうだし。」
「らー。わたしもはこぶー。」
「あんまり無理はしないほうがいいよー。
すぐそこまでだったらあたしとみやっちの2人で充分運べるし。」