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掲示板 交渉報告×2

『エルフに捕縛鎖陣かけられた!誰か助けてくれ!』


『エルフに、って、エルフちゃんにってことか?』


『そう、ここの掲示板で言われてた図書館エルフだ。

 俺たち4人を毒で眠らせて、鎖で手足縛っていきやがった。』


『・・・お前、なにやったんだ?

 聞いた話だけど、けっこーなお人よしっぽいんだよな。エルフちゃんって。

 そのエルフちゃんに攻撃される、ってのは、相当怒らせるよーなことしたんじゃないのか?』


『説得しようとしただけよ。』


『説得のために捕縛鎖陣という技を仕掛けて、逆にかけられた、だな。』


『ちょっと、ザンね、そんなこと書き込むのは!

 余計なこと言わなくていいじゃない!』


『隠して隠せることでもあるまい。

 エルフ殿はここの「情報提供者」に会いに行ったのだし。

 我々のことについても話していると考えるのが自然だ。』


『エルフちゃんに捕縛って、何考えてるんだ!』


『俺らが平和的に、って言ってもかなりあっちには迷惑かけてるよなーとか思いながら交渉考えたりしてるのに』


『この手で捕獲したいのを我慢してたというのに。』


『交渉前に交渉決裂か…』


『あと、プレイヤー名は書き込まないほーが良いと思うよー。今更遅いけど。』


『えっと、これって、かなりやばいんでない?』


『やばいなんてもんじゃないと思うぞ。

 4人で縛りに来たってのは、この世界なら殺されても文句言えないくらいの行動だ。

 まあしかけた本人が生きてるってことは、最悪のパターンが確定したわけではなさそうだが。その一歩手前くらいにはなってるかもしれん。』


『ちなみに、その最悪のパターンってのは?』


『この世界の昔話にある通り、エルフ族が全力で人間種族を殺しに動く状態だな。

 エルフ族は人間のふりもできるって話だから、いつどこから即死級の魔法が飛んでくるかわからない状態が続く。

 こちらはエルフが何人いるかわからないから、もし何人か無力化したとしても、状況は変わらない。

 エルフ族の感覚だと「100年が少しの間」らしいから、激怒した状態が何百年続いてもおかしくない。

 まあエルフちゃんはそういう状態まではいってないみたいだけど、もしエルフ族の仲間に話してたりしたら、やっぱり同じ状態になる可能性もゼロとは言えない。』


『つまり、期間無制限かくれんぼ、ただし見つかると死ぬ、ってこと?』


『いや、見つからなくても町ごとどーん。って感じだと思う。エルフ族の気分しだいで。』


『うわぁ。軽い表現なのに軽くない。怖いわ。』


『たぶんだけど、今の時点で一番敵に回すとまずい勢力だからねぇ。エルフ族って。

 ドラゴンとか人喰いバッタとかも相当だけど、ドラゴンは群れない、バッタは見えるところうごくから、まだ対処の方法がないわけでは無いかも。』


『人喰いバッタはもともと敵だけどね。仲良くはなれんだろう。名前からして。』


『あ、そいえば、その4人組って今どこにいる?

 助けろと言われても、どこにいるのかわからなくちゃどーにもならんと思うんだが。

 まあだいたい想像はつくけど、一応場所宣言頼む。』


『図書館の入り口の部屋だ。

 カジノがある町。掃除に来たメンバーならわかるはずだ。早く助けてくれ!』


『りょーかい。近づかないようにするわ。』


『同じくー。』


『助けてくれるんじゃないのかよ!?』


『俺が助けに行くなんて言ってない。誰か助けに行こうかなって人がもしいたら、場所わからんと行けないだろうなって思って親切心で書き込んだだけだ。』


『親切だなー。』


『あ、さっきの「エルフちゃんはそういう状態まではいってないみたい」発言だけどさ。

 それはまだ言い切れないと思う。』


『そーなの?

 縛っただけで放置ってことは、殺すつもりはないってことじゃない?』


『エルフちゃんが使える攻撃魔法が、隕石落としみたいな大規模魔法しかない、としたら?』


『敵の動きを止めて、離れてから撃つ・・・?』


『ちょ、近くにいるやつ、逃げとけ!まずいぞ!』


『私かなり近い。逃げまっす!』


『ちょっと、逃げるなら助けてから行きなさいよ!』


『わざわざ爆心地になりそうな所に行けるわけないでしょ!

 自分で鎖引きちぎって逃げたらいいじゃない!』


『さすがに無理じゃないか?鎖引きちぎるのは。』


『いや、筋力極振りでレベルも高ければ不可能ではないかもしれん。』


『その鎖がどーいう材質かにもよるかも。

 やわな材質なら自力でどーにかなるかもだし、逆にレアな金属とかだったら職人さんが回収ついでに解いてくれるかも?』


『技、ってことは素材は回収できないんじゃないかなー。』


『ああ、そういわれてみればそうか。

 ってことは自力で頑張ってもらうしかないかな。』


『ただいま。「情報提供者」です。

 エルフちゃんとの交渉行ってきました。

 とりあえず依頼成功? ただし、いつ破棄されてもおかしくない状態。』


『おかえりー。

 4人組のこと、何か言われた?』


『お疲れさま~。

 依頼成功とはびっくりだ。』


『この鎖の解き方言ってただろ、教えてくれ!』


『言ってないんじゃないか?

 っていうか、4人組は俺らの敵だろ。知ってたとしても教えないんじゃないか?』

 

『治療のお礼に何かできないか、と言ったら、僕の能力が見たいということだったので、見せた。

エルフと人間の能力値の表現が違っていたらしく、情報の補完のために知りたかったそうだ。


アドバイザー、相談役として手伝ってもらえないか、という依頼については、

定期的には無理。

「同居人、もしくは飼い主」のほうが優先だけど、気まぐれで良いならできるかもしれない。「お互いの行動や目的が対立しない間は。」

条件は次回会った時相談。

なので、こちらで手伝えそうなもの、出せそうなものなどのデータをあとでまとめたい。

ただし、金銭にはあまり興味はなさそう。交通費として銀貨50枚出してみたが、交通費はタダだからいらない、と返された。


あと、雑談からわかった情報。

翻訳は使ってない、自力で人間の言葉の本をたくさん読んで勉強した、と言っていた。

エルフの発音は1文字に3つの発音がある、人間はそのうち2つしか認識してないから、人間の発音でエルフ語を言おうとすると間違いが多くなる。

ただし、文章で話せば、多少の間違いがあっても前後とのつながりを考えて解釈すればなんとなく伝わるかもしれない。

同じ意味の言葉をいくつも使って、どれか伝わればいいかもしれない、という方法もある。

交通費はかかってない。』


『3つのうちの2つってことは、ヘブライ語みたいな感じなのかな?あっちからすると。母音無しの子音だけみたいな。』


『か、飼い主?』


『幼女ペット・・・?』


『いや、人間の言葉が苦手って言ってたんだから、普通に誤訳な気がするが。』


『あと、図書館入り口の4人組が仲間だったら伝言お願い、って言われた。

 図書館入口の4人って、仲間かな?』


『4人ともここの住人だ!仲間だから教えてくれ!』


『仲間、と言っていいのか?』


『住人、ではあるみたいだが、仲間かと言われると悩むな。』


『行動からすると仲間ではないよな。』


『うーむ。仲間じゃない、って言いたくはなるけど、伝言なら伝えるべきだと思う。

 ここで仲間じゃないから伝えない、っていうのは、都合のいい時だけ仲間とか仲間じゃないとか言ってるように思えてきそうだし。

 「仲間なら」、じゃなくて「仲間だったら」、なわけだから、「仲間だった(過去形)」でも伝えるべきだと思う。』

 

『それでは、伝えることにします。

 伝言内容。

 『私はその鎖を解除するつもりはない。

 魔力を多めに入れたから4人が使った技よりかなり頑丈だけど、「鎖をほどく」って言ってた言葉がでまかせじゃなければ、鎖のほどき方がわかってるはずだから、頑張ればたぶん解ける。

 鎖の部分の魔法の仕組みは、ちょっとだけ改良したけど、ほぼ同じ。

 誰かに頼むという方法もあるけど、鎖を解くのに使った道具はたぶん壊れるから、頼むときは気を付けて。

 鎖がとけた後もマーキングしたのは消えない。私はどこにいるのかいつでも把握できるし、今回の鎖くらいはいつでもかけられる。

 鎖が解けたら遠くに行かないと、見かけたら無条件で今より強い鎖をかける。

 おまけヒント。

 鎖が七ケタ、もう一つが五ケタ。

 五ケタが七ケタを守ってる。』

 以上。伝言終わり。』


『なるほどー。

 かなりのヒントくれてるみたいだね。』


『そーだな。

 ちょっと考えただけでも、3つはヒント読み取れた。

 これならなんとか自力で解けそーだね、がんばれ、もしくはがんばるな。』


『7ケタってのが想像通りだったら、ものすごい魔力こもってる感じな気がする。

 耐久力とか、注入魔力量が7ケタ??』


『ありえるのが魔力量かなぁ。

 ボス級の能力持ってるなら、そのくらい魔力あってもおかしくないかも?』


『え?ボス級なの?』


『いや、知らんけど。

 ドラゴンとかいる世界で、ドラゴンより危険視されるくらいの存在ってことは・・・。

 大魔法連発できます、くらいは無いと、計算合わない気がする。

 ってことは魔力量がとんでもないか、魔力消費1で何でも撃てるみたいに魔力効率いい魔法持ってるか、両方かって感じじゃないかなと。

 たぶん今回のはものすごく手加減してくれた結果な気がするなぁ。

 普通に魔法で敵を無力化するなら、フリーズボールくらいで充分なわけだし。相手の能力にもよるけど。』


『なるほどー。

 つまり、戦ってもまず勝てない、と。』


『まあ間違いなく勝てないだろうね。』


『話は変わるけどさ。

 「お互いの行動や目的が対立しない間は」って、4人組の攻撃の時点で終わってないか?』


『うーむ。

 その攻撃のあとに交渉成立したみたいだから、攻撃のぶんはとりあえずなかったことにしてくれてるんじゃないかな?

 本人たちにはお仕置きしてるわけだし。』


『エルフちゃんの気が変わればいつでも破棄されてもおかしくない、ってことになるだけだと思う。

 まあ今までと同じじゃないか?その点については。』

 

『んじゃこっちで出せそうなものについてのデータ集めようか。

 たぶん本読むの好きみたいだから、読み終わった本あつめて読んでもらう、とかいいんじゃないかな。』


『あー、本って高いしね。

 その割に買取けっこー安いし。』


『読み終わった本ならいくつかあるから、今度持って行くよ。』


『ほかに何かあるかな?

 あ、本集めるのも継続で。』

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