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交渉(友好的?)

囀りの刻の2小刻後(6時10分)、図書館前。

 図書館の扉を開け、エルフがゆっくりと歩いてくる・・・。


「シロちゃん、おはようございます。」


「み?

 こびっとさん、おまたせー。まにあったかな?」


「はい、ちょうど「囀りの刻の2小刻後」です。」


「にゃー。それはよかった。はやあるきしたからなんとかまにあったか。

 きょうは、はなしながくかかりそう?」


「えっと、シロちゃんが時間に余裕があるなら、少し長く話したいです。」


「らー。それじゃながめにしましょ。

 ながくっていってもはんこく(1時間)くらいでねむくなるかもだけど。

 とりあえず、どこかでたべものたべながらはなしにしよか。

 おなかすいてきたから、なにかたべないとながくはもたない。

 おすすめのばしょとかある?」


「それなら、あっちに見える食堂が、あまり並ばなくても入れるし席も広かったはずです。」


「らー。それならそこでー。」


・・・


「み?

 それじゃ、まりあさんは、きょうはおやすみなの?」


「はい。

 明け方に酒場で飲んでいたら、夜明けの朝日を浴びて少し体力減ったようで。

 たいしたことなかったけど、今日は一日宿で寝ることにするそうです。

 お礼を言っておいて、と伝言預かってきています。」


「むー。

 かりのすがたとけてきてるのかもね。

 せいぎょできるまでは、ひかりにあたらないように、きをつけたほうがよさそう。

 まっくらないんしょくてんって、ふつうはないし、しかたないか。」


「やっぱり吸血鬼は光に弱いんですね~。」


「そーだねー。」


・・・


「にゃー。

 ここのみせは、どんなりょーりがあるかがえでかいてあるんだね。べんりー。」


「そうですね。知らない料理だと、名前からは想像もしないような物だったりしますし。」


「それもあるけど、わたしは、りょーりのなまえ、よめるのおおくない。おぼえるの、むずかしい。

 ふつうのことばのくみあわせじゃないのがおおいし。」


「えっと、翻訳××、使ってないんですか?」


「ほんやく?つかったことない。

 にんげんのことばのほんたくさんよんで、かたことでしゃべれるてーどにべんきょーしただけ。

 だから、はつおんが、かなりあやしい。

 みっつめのおとをじゅうししてしまって、かんじんのひとつめふたつめがくずれてるかんじかな。

 わからないことばもかなりおおい。」


「3つめの音、ですか?」


「らー。みっつめー。

 せつめーはしにくいんだけど。

 ひともじごとに、えるふはみっつのはつおんしてる、ってかんがえる。みっつのくみあわせでいみがきまる。

 にんげんも、みっつはつおんしてるんだけど、みっつめのところはききとってないみたいで、ひとによってときによってばらばらなはつおん。ことばのいみも、ふたつめまででかんがえるみたい。

 だけど、わたしは、なんとなくみっつめもかんがえてしまって、ひとつめふたつめがおいつかないかんじ?」


「えっと・・・。

 発音の一部が聞き取れてない、ということは、人間が「その言葉」を話そうとしても、全然意味が伝わりませんよね。」

 

「らー。だいたい、つたわらないとおもっていいとおもう。

 でも、ぶんしょーでしゃべってもらえば、あるていどまちがってても、ぜんごとのつながりでなんとなーくつたわったりもする、かもしれないかも。

 にんげんがえるふもじのじゅもんでまほーつかうときとかよくやるほうほうらしいけど、おなじようないみのことばをなんしゅるいもつかって、どれかつたわればいいかなーってかんじなほうほうとかもあるね。

 だから、にんげんのまほーは、かなりながいものがおおい。」


「えっと、「その文字」、って、聞いたことありません。どんな文字なんでしょうか?」


「むー。こっちだと、まほーもじとかいうのかな?たぶん。

 まーえるふもいまではめったにつかわないもじらしいし、しかたないけど。

 あ、そろそろちゅーもんかんがえないとね。」


「そうですね。何が良いかな~・・。」


「むー。なにがいいかなー。

 きめた、てんいんさん、そーせーじいりのすーぷのからくないほうと、べくさしおんおねがいしますー。」


「狩人の運任せランチお願いします。」


・・・


(ぽりぽり)

「ここのべくさしおんは、かなりいいざいりょーつかってるかんじだなぁ。おいしい。

 まあめにゅーにかいてあるくらいだから、じしんあるんだろーけど。」


「私が住んでいた××、国にあった、×××××××というお菓子に似ていますね。」


「そーなんだ。ほかのくににもあるんだね。りょーりめいはよくわからなかったけど。

 あ、そいえば、ろくにちまえのこたえきいてなかったね。

 きまった?」


「えっと、答える前に、こういうお礼の形は失礼かと思ったのですが、マリアさんの治療費と、シロちゃんのここまでの交通費として、少しですが銀貨を用意しました。」


革袋を取り出す。

銀貨なら少なくとも数十枚は入っているように見える・・・。


「むー。こーつーひは、ただだからきにしなくていいよ。

 ちりょーひは、ぜんかいのわいんだいのわたしがはらってたぶんぎんか5まいとどうか45まいだったから、6まいもらっておくね。はすうがちりょうひってことで。」


袋を開け、銀貨を6枚とり、残りの袋を押し返す。


「それじゃこたえどーぞ。」


「・・・なにか、僕たちに協力できることはありませんか?」


「み?

 それは、わたしにてつだわせるかわりになることっていみ?」


「あ、いえ、前回マリアさんを助けてもらったお礼って意味でです。

 仲間と相談した結果、恩を返す前に要求を続けるのは間違ってる、という話になったので。


「それなら、こびっとさんののうりょく、たいりょくとかまりょくとか、みせてもらっていい?

 にんげんのきじゅんがわからない。」


「あ、はい。そのくらいならいつでもどうぞ。」


「ありがとー。

 『能力解析』

 にゃー。わかった。ありがとー。」


「え?そんな簡単に調べられるんですか?

 こっちから見せなくちゃいけない物だと思っていました。」


「しらべるほうほうはしってた。

 でも、こっそりしらべるのはわたしにはむりだし、べつにしらべなくてもこまるわけでもないから、きいてからがいいかなとおもった。

 じぶんののうりょくを、にんげんのきじゅんでかんさんするといくつになるのかしるためのじょうほうをとりたかっただけだから。」


「能力の単位も人間とは違うんですか?

 大変ですね。それだと。」


「ほかのしゅぞくとはなしはつうじないだろーね。

 ところで、そろそろねむくなりそーだから、ほんだいあるならそろそろいってもらっていいかな。

 げんかいにねむくなったら、はなしのとちゅうでもかえらないとだし。」


「えっと、できれば定期的にアドバイザー、相談役のような感じで手伝いしていただけないかと思っていました。

 お礼は金銭、または調べたいことなどで手伝えるものがあったら手伝うというのを考えていました。

 でも、金銭は意味がなさそうですね。」


「ていきてきに、は、むり。

 どーきょにん、もしくは、かいぬし?

 そんなかんじのいるから、そっちゆうせん。

 きまぐれでいいなら、できるかも。おたがいのこうどうやもくてきがたいりつしないあいだは。

 じょーけんは、こんどきたときまとめましょ。ねむいし。

 じかんはちょっとおそめのほーがいいかな?

 こんどはごにちあと、めざめのときのさんしょうこくあと(10時15分)でいい?」


「はい、ありがとうございます。

 こちらで出せる物、手伝えるメンバーの能力などのデータを揃えておきます。」


「らー。よろしくー。

 あと、としょかんいりぐちのへやのさんにんぐみ、こびっとさんのなかまだったらでんごんおねがい。」


「入口の部屋、ですか?

 私が見た時には誰もいなかったはずですけど・・・。

 わかりました、仲間だったら伝えます。伝言の内容はなんでしょうか?」


「・・・うそはついてないかんじ、かな?

 よにんをさんにんといったのもはんのうなかったかんじだし。

 よにんぐみに、でんごんおねがい。

 でんごんないよう。

 『わたしはそのくさりをかいじょするつもりはない。

 まりょくをおおめにいれたからよにんがつかったわざよりかなりがんじょーだけど、「くさりをほどく」っていってたことばがでまかせじゃなければ、くさりのほどきかたがわかってるはずだから、がんばればたぶんとける。

 くさりのぶぶんのまほうのしくみは、ちょっとだけかいりょうしたけど、ほぼおなじ。

 だれかにたのむというほうほうもあるけど、くさりとくのにつかったどうぐはたぶんこわれるから、たのむならきをつけて。

 あと、くさりがとけたあともまーきんぐしたのはきえないから、わたしにはどこにいるかいつでもはあくできるし、こんかいのくさりくらいはいつでもかけられる。

 くさりがとけたら、とおくにいかないと、みかけたらむじょーけんでまたかける。こんどはもうちょっとだけつよいやつ。

 おまけひんと。

 くさりがななけた。もうひとつがごけた。

 ごけたがななけたをまもってる。』

 おわり。これでおねがいー。」


「メモとりました。

 伝えるのは、『4人組が私たちの仲間だった場合』ですね?」


「らー。そんなかんじで。」


「えっと、この伝言内容からすると、その4人組って、現在鎖に縛られてるように思えるんですが…。」


「らー。そーだよ。

 かくれるわざ、もってるひとたちだったみたい。

 「捕縛鎖陣」っていうわざでてあししばるこーげきしてきたから、おなじよーなわざでやりかえした。

 たぶんいまはくさりでしばられたじょーたいで、さっきのへやにいる。

 それじゃ、ねむいからかえる。ばいばい。」


店を出て、空中に魔法陣を描き、魔法陣を扉に変えて、扉を開き、姿を消した…。


「・・・手足縛った!?」

 マリアさんは直射日光を避ける位置に陣取っていましたが、反射光でもダメージ受けることが判明。地味にダメージ受けました。酒場の一番奥の方だったのでかすり傷程度でしたが。

 現時点では、睡眠不足などの体調不良じゃない状態なら、日光でダメージは受けません。今回は睡眠不足+日光でダメージ。

 

 べくさしおん→ヴェクサシオン

 ゲーム内の料理。 

 「いやがらせ」という意味を持つ料理らしい。薄切りにした材料を油で揚げたもの。材料は薄切りなら何でもいい。芋で作れば『ポテトチップス』、ハムだったら『ハムフライ』に似たものになる?今回食べてたのは大部分芋、すこしだけハムも使われていました。

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