おなかがすいたようです
「あー、そいえばファンタジー系の話って苦手だったっけ?」
「ええ。あまり読んだことはないわ。」
「んーとね。
物語によると、エルフってのは、
耳がとがってる。
ものすごい色白。または色黒。黒いのはダークエルフって呼ばれたりもする。
人間との接触がほとんどない。
少なくとも表面的な歴史書では100年くらい出てきてない。
だから言葉が通じなくてもおかしくはないと思う。
魔法がすごく強いらしい。
怒らせると国が消えるとかいう言い伝えもあったり。
つまり、エルフ発見はかなりの大事件。」
「そ、そうなの?」
「まーとりあえず、目覚めの刻まで待ってから報告、かな。」
「えっ、そんな重要なら時間前でも・・」
「良いと思う?
間違ってたらあたしら破産だよ?
それに、この子の空腹がそろそろ限界。」
あ、ものすごくおやつ見てる。
そして我慢してる。
食べていいのかどうか悩んでる?
「えっと、食べていいですよー、って言っても通じてないわね。様子を見る限り。」
「そーみたいだね。
そんなわけで。
我々がいまするべきことは一つ。
餌付けでございます。
手に持って顔の前まで近づければ食べていいってわかるでしょ。
いざとなれば口開けて突っ込んじゃえば問題なしよ。」
目覚めの刻=昼の少し前。10時くらい。