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意外と近くに住んでました。

第2村人プレイヤー発見。

魔法陣を通り、第777小図書館の受付があった部屋に出る。

今まで通りほこりだらけの部屋をでて、カジノの前の広場に入った。


「けほっ。

 あのへやのほこり、どーにかならないかなぁ。

 わたしのへやだったら、ほこりをしゅうのう、というほうほうがつかえるかもしれないんだけど。

 しょゆうけんがないじょうたいのものはしゅうのうできないしなぁ。

 かぜのまほーでふっとばす、とかも、じぶんのへやならできるけど、としょかんではさすがにできないし。」


「とりあえず、きょうは、なにかたべてからすこしあそんでかえろーかな。」


広場から外れ、食堂に並んでいる行列の最後尾に並んだ。


「むー。ちかいからならんだけど、このぎょーれつ、かなりながいなぁ。

 まえにきたときにはもっとみじかったはずなんだけど。

 なにかめにゅーかわったとか、ざっしでしょーかいされたとかなにかかな?」


目の前に、見覚えのある青年がいるのに気付いた。


「み?

 まえのひと、もしかしてこびっとさん?」


「あ、シロちゃん、こんにちは。」


「ぐーぜんだねー。

 もしまたしつもんとかあるなら、まってるあいだならだいじょぶだよ。

 なんかいろいろききたいみたいだったし。ぜんかいのとき。」


「ありがとうございます。

 えっと、ほかの『プレイヤー』からの質問です。『HPの最大値が減っていくような病気に心当たりはありますか?ある場合、治療方法はわかりませんか?』」


「むー。

 こころあたり、ありすぎて、わからない。

 そのじょうほうだけだとはんだんはむりとおもう。

 『にんげんのばあいだと、ぜんぶのびょうきにあてはまる』としかいえない。

 ふつーのびょうきでも、ひどくなって、ふつうになおりきらないくらいになると、さいだいちへる。

 せいかくにいうと、ひどくなるとさいだいちへるよーなもので、けがとかのろいとかにぶんるいされないものを、『びょうき』とよぶ、ってかんじ。びょうきというよびなじたい、そーいういみ。

 びょうきのほかにも、ふるきずとかでさいだいちへるばあいもある。」


「ぜんぶの病気に当てはまる、ということは、治療法はわかりませんよね・・・。」


「らー。そーだね。わからない。

 びょーきだってわかってれば、びょうめいわからなくても、きゅあしっくぽーしょんのすごくひんしついいのあればきくかもだけど、びょうきだけにあてはまることでもないし、きゅあしっくってつくりにくいわりにききめすごくよわいし。

 ふつうのほうほうなら、なにがげんいんかみつけないと、なおせないんじゃないかな。

 りすくがたかいびょーきとかどくとかは、きほんてきにはとくちょうがみつけやすいよーになってるはずだから、たぶん、しらべればなにかはひんとになるよーなものみつかるはず?

 まあびょうじょうがどのてーどか、たいりょくがどのくらいのこってるかによって、かけにでなくちゃいけないばあいもあるだろーけど。」


「例えばの話ですが、もし賭けに出るとしたら、どういう方法が考えられると思いますか?」


「のこりじかんがかなりすくないなら、てきとーにびょうめいとかげんいんをよそうして、きょうりょくなくすりをつかってみるとか?

 そして、どくけしがきけばどく、のろいけすせいすいとかがきくならたぶんのろい、きゅあしっくがきくならびょーきってかんじで、ききめでてきとーにはんだんする。

 くすりのききめがよわすぎてぜんぜんこうかなしってかのうせいもあるし、くすりをのむとぎゃくこうかになるよーなのろいとかもあるから、あんぜんなほうほうとはいいきれないけど、なにもしないよりはほんのすこしだけかのうせいあるかも。」


「何もしないよりはほんの少し、っていう表現ということは、かなり確率低いんですね。その方法は。」


「らー。たぶん、そうだとおもう。

 たとえるなら、けがのちりょう、めかくししてやろーとしてるくらいむぼう?

 そーいうてあたりしだいなほうほうでなおるなら、たぶんとっくになおしてるだろーし。

 ふつーに、なにがげんいんなのかしらべたりすいりしたりすればいいんじゃないかな?

 あ、そろそろみせはいれそう。しつもんじかんおわり。」


「ありがとうございました。

 『掲示板』で質問した人に伝えておきます。」


「らー。またこんどー。」


店に入ると、店員が忙しそうに食事を運んでいるのが見える。

店の中央付近にある4人席に、一人の女性が座っている。

外見だけを見ると、色っぽい美人のはずなのだが、目の前に並べられた大量の料理と、それを異常な速さで食べ続ける姿からは、色気は一切感じられない。


「お待たせしました。

 追加の双角羊極厚ステーキ5人前です。」


「ありがと。

 それじゃ、次はこのページに乗ってる料理、上から順に5人前ずつ持ってきてもらえるかしら?」


「えっ、ページの、全部ですか!?」


「さっきのページのぶんはそろそろ食べ終わっちゃうから、次のページが必要でしょ?

 お腹が空いてきちゃうから、急いでちょうだいね。」


「は、はい!

 3番テーブルのお客様、メニュー10ページ目全品5人前ずつご注文です!」


「み?

 なんだか、すごくたべてるひとがいる。

 おなかいたくなったりしないのかな?」


「あら?かわいい子ね~。

 もしかして、あなたが『エルフちゃん』かしら?」


「はつおん、まちがってないのははじめてかも。

 たぶん、そーです。」


「こんなところで会えるなんて思わなかったわ~。

 よかったら向かいの席空いてるから座って。食事いろいろ頼んであるから、よかったら好きなもの食べて行ってね。」


「ありがとー。すわるー。

 でも、わたし、あんまりりょうたべれないから、じぶんでえらびたい。」


「あら、そう?

 まあ考えてみればそうよね~。

 ところで、例の『掲示板』って、エルフちゃんは読んでくれてるのかしら?

 そうだったら話が速いんだけど。」


「み?

 でんごんばん、どこにあるのかわかってない、よんでない。

 てんいんさん、これひとつ、おねがいー。」


「はい!

 3番テーブルのお客様、カルボナーラご注文です!」


「伝言板とは、少し違うんだけどね。

 料理待つ間、少し話聞いてもらっていいかしら?」


「らー。まってるあいだなら、だいじょぶ。」


「私のHPの最大値が、少しずつ減ってるのよ。

 食べ物を食べることで、最大値を増やすこともできるみたいなんだけど、ほんの少ししか増えないから、ずっと食べ続けないと数値を維持できない感じね。

 満腹感は無くなってるみたいだから、いくらでも食べ続けること自体はできるんだけど、このままの生活はある程度までしか続けられないと思うわ。金銭的な意味でも、精神的な意味でもね。

 どうにか、この状態から解放されたいんだけど、何か情報に心当たりはないかしら?」


「み?

 さっききいたはなしのひとかな。

 らー。こころあたりなら、ある。」


「そう・・・

 って、あるの!?」


「ある。こころあたり、なだけだから、かくじつではない。

 それと、ここでしゃべる、ではないおもう。ここひとおおいし。

 まあいまさらといえばいまさらかもだけど。」


「急ぎの問題だから、誰かに聞かれるリスクは覚悟の上で、すぐ聞きたいんだけど、教えてもらえるかしら?」


「えっと。

 たべるとたいりょくさいだいちがふえる、ふだんすこしずつへる、っていうとくちょうからよそー。

 ふていけいもんすたーみたいなたいしつ?

 ジェルゼライムとか、ごーすととか、きゅーけつきとか、そんなかんじ?」


「・・・そういう生き物には詳しくないからよくわからないんだけど、詳しい解説お願いしていい?」


「らー。かいせつ、する。

 ふつーのにんげんのばあい、けがしたときとかは、たいりょくがへってるじょうたい。さいだいたいりょくより、げんざいのたいりょくがちいさい。

 ふていけいもんすたーのばあい、たいりょくへったときでも、『ほんらいのすがた、ほんらいのつよさ』がきまってないから、もともとそーいうものだったみたいにあつかわれる。げんざいのたいりょくとさいだいたいりょくが、いつもおなじすうじになる。

 おおざっぱにいっちゃうと、ふつーのにんげんの、げんざいのたいりょくのところが、さいだいたいりょくってひょうじされるだけ、っていうかんじかな。

 だから、ふつーにおなかへったってだけでも、さいだいたいりょくへるし、なにかかいふくするよーなことすれば、さいだいたいりょくがふえてくかんじ。

 さいだいたいりょくがへったから、っていってとくべつにあぶないことになってるわけじゃないからあんまりしんぱいいらないとおもう。

 まあとーたるでへってるならもんだいあるのはたしかだけど、たいさくはいろいろできる。

 ずっとたべつづければいじできる、ていどのへりかただったら、かんがえるじかんはかくほできるってことになるし。」


「なるほど。つまり、あんまり悩まず体力回復する方法を探せばいいってわけね。」


「らー。そうなるね。

 まず、たいりょくによゆうがあればだけど、どーいうじょうけんでたいりょくがへるのかしらべる。

 あと、どーいうじょうけんでたいりょくがふえるかしらべる。

 それで、こうりついいほうほうをじっこうするってかんじ。かな。 

 すこしでもかいふくしてるってことは、たべものをたべるっていうほうほうじたいは、まちがってない。

 ただし、たべるものが、こうりついいものがあるかもしれないってかんじ?

 もしきゅーけつきなら、あかわいん、とまとじゅーす、けつえき、でかいふくするかも?」


「吸血鬼に血液はわかるけど、トマトジュースとか赤ワインは無理じゃない?

 赤いだけでしょ、それ。」


「とりあえず、ためしてみよー。

 てんいんさん、あかわいんをおっきいびんで、あと、とまとじゅーすをおっきいこっぷでおねがいしまーす。

 あと、さっきのちゅーもんの、まだですか?」


「あ、ごめん、たぶん私が大量注文してるのが原因だわ。遅いのは。」


・・・


「にゃー。

 このおみせの、かるぼにゃーら、おいしい。」


「半日食べ続けた食事の回復量より、赤ワイン1本とトマトジュースコップ1杯のほうが回復量が大きかったわ・・・。

 効率いい方法が見つかったのは良いことなんだけど、今まで苦労してただけに、少し複雑な気持ちね。

 あ、情報はすごく助かったわ。本当にありがとう。

 デザートはどう?お礼にどんな高い物でもごちそうするわよ。」


「これだけでおなかいっぱいになる、だいじょぶ。でも、ありがとー。

 としょかんにあったほんに、きゅーけつきがとまとじゅーすのんでるしーんかいてあったのがあった。

 だから、ひょっとしたらできるんじゃないかなーとおもった。せいこう。」


「あなどれないわね~図書館。

 あ、そういえば、エルフちゃんの推理通りに回復したということは、私は吸血鬼だったってことかしら?」


「らー。たぶんそーだとおもう。けつえきでかいふくするたいぷのいきもの?

 たいりょーしゅっけつとかをみたときに、ちのにおいでめざめてしまう、みたいなかんじだったんじゃないかな?たぶん。

 そーいうぱたーんでめざめたばあい、おもわずなかまにおそいかかってしまってびっくりー。なかんじになりそーなかんじ。」

 

「・・・怖い話ねぇ。

 今からそういうのに目覚めないとは言い切れないわけだし、血を見るような場所は避けた方がよさそうね。」


「らー。そーだね。

 あ、それと、きゅーけつきは、ぎんもにがてかもだから、ぎんか、てぶくろ、つかうといいかも。」


「あら、それは気づかなかったわ。ありがとう。

 それなら、手袋を買いに行ってこないとね。」

 赤ワイン1本、というとたいしたことなさそうですが、一升瓶くらいの1本飲んでます。

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