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はやあるきでした。

プレイヤーが使うことができる掲示板。

そこに、『エルフ発見』という情報が書き込まれた・・・。




【今日、エルフ発見した。

今度会えた場合どういう対応するのが良いか、意見募集。】


『人間男のプレイヤー、キャラ名「五十鈴エルフ」さんのことなら、もう掲示板ネタになってるぞ。

名前はアレだけどかなりの腕前の職人さんらしいな。』


『色白だからってエルフあつかいされてるっていう人、けっこー書き込みしてるから、もし外見だけで決めつけてるんだとしたら考え直したほーが良いと思うよ。』


【そうじゃなくて、種族がエルフなのを発見した。

人物鑑定スキルで種族のところに「エルフ」って表示されてたから間違いないと思う。】


『なんですと?』


『ガチ情報ってことか!

強い?戦力になってくれそう?』


『中央都市の情報とか知ってそうな感じはあった?』


『プレイヤー?NPC?』


『名前、住所、スリーサイズなどの情報はありますかっ!?』


『間違いない、と言われても、変装のスキルとかもあるし、100%とはいかないんじゃないか?』


【名前は言えない。エルフ語の名前は、人間の発音だと全然違う意味になってしまう場合があるらしく、「目の前で間違った発音で言われたら訂正できるけど、間違って広まっちゃったらどうしようもないから」言わないように、と口止めされてる。

住所は知らない、会った場所と同じ場所に来てくれれば会えるかも、ってだけだから、相手が気が変わった時点で会えなくなる。】


『なるほどー。

背後を尾行、とかして気付かれたらおしまいだもんね。住所知らないのもしかたないか。』


【スリーサイズは、聞けるわけがない。でも、かなり小さかった。幼児。女だったから幼女というのかな?】


『ょぅι゛ょキターーー!!』


『エルフ見つけた情報よりテンション高いなw』


『遭遇情報の少なさで言ったらエルフと大差ありませんのですよっ!』


『そーなのか、そーいえばたしかに子供って見かけないなぁ。』


【変装の確率はゼロではないとは思うけど、わざわざ鑑定もちが話しかけてくるの待ってる、とかいうのも不自然だし、ほぼゼロと考えていいんじゃないかなとも思う。】


『たしかに、鑑定スキル持ちの人をごまかすには、相当高い変装スキルとか偽装スキルとか?必要になりそうだしね。

 そーいうスキル持ってるにしては待ってるだけってのは変かも。』


【強さは、ほとんど魔法詠唱無しでワープみたいなことしてたから、たぶんだけどものすごく強い。

魔法には詳しくないけど、杖とかの道具も見当たらなかったから、並みの魔力ではできないはず?】


『並みじゃなくても、ワープみたいな魔法は発見されてないんじゃないかな。すくなくとも私は掲示板では見たことない。

隠れるような魔法はあるらしいから、魔法で姿を隠して近くに移動、っていう可能性は残るけど。』


『いろいろ抜け道はあるけど、原則的には、強力な魔法ほど呪文が長いはずだよ。

 先にほとんど唱えておいていざというときにその魔法を開放、とかいう手もあるから確実とは言えないけど。』


【プレイヤーかどうかはまだ判断できないと思う。

「人間の言葉は苦手」と言っていたが、会話は普通にできた。

ただし、「プレイヤー」「東京」「日本」「ロストスピーシーオンライン」「スキルポイント」「中央都市」という言葉は通じなかった。

たとえば「プレイヤー」をなぜか「プリアヤー」って聞き取ってしまうらしい。

他の会話は通じてたから、ゲームの設定にない言葉は通じないのかもしれない。】


『そういわれるとNPCっぽい気がするなぁ。

「プレイヤー」とか「スキルポイント」とかは、プレイヤーなら当然知ってるだろうし。』


『「東京」か「日本」は海外プレイヤーだとしても知ってるだろうしね。』


『もしプレイヤーだとしたら、「共通語」のスキル持ってなくて、翻訳機能使わないで自力でしゃべってるとかかな?考えられるのは。

ゲームの中では、東京や日本なんて単語はNPCからは出てこないだろうし。』


『プレイヤーが翻訳機能なしで会話が普通に通じる、って、どー考えても無理な気が。

その人がエルフ設定なら、エルフ語が日本語みたいに読めて、逆に共通語が読めないってことになるわけだよね?』


『そこは気合でなんとか、ならないよねー。』


【エルフは、人間と、言葉の発音、聞き取る部分が違うのかもしれない。

俺が「エルフ」と言ったら、「発音が全然違っている、人間に例えると人間とサルくらいちがう」っていわれた。

彼女の名前に「さん」を付けて呼んだら、ものすごく変な感じする、っていわれた。今は「ちゃん」付けて呼ぶことになった。】


『うーむ、少なくとも、エルフ語は使いこなしてるってことと、共通語は苦手ってことは間違いない、と。エルフなら当然といえば当然なのかもだけど。

で、たぶんエルフ語を人間が共通語と同じ感覚で使おうとすると、発音の間違いがある可能性が高いと。』


『「エルフ」っていう単語が「エルフ語のエルフという意味の単語の発音を人間が再現しようとして失敗したもの」っていうことかな。』


【協力してくれるかどうか、については、

「おヒマだったら質問していいですか?」と聞いたら「ヒマじゃないけど、目的地まで歩いてる間なら聞いてもいい」と答えて、ものすごくゆっくり歩いてくれた。】


『うわ、優しい。』


『ツンデレか。』


『ツンデレさんだな。』


『んーと。

足の速さについては、私は見たわけじゃないからどのくらいゆっくりだったのかわからないけど、個人差かなりあるからもしかしたら普通にもともと遅かっただけってこともあるかも?

人間プレイヤーの初期値の敏捷15でも、わりと足速い部類になるはずだよ。』


『つまり、単にそのエルフちゃんの足が遅かっただけ、という可能性もあるということか?』


【さすがに普通にあの遅さってことはないと思う。

本当にものすごく遅かった。】


『ツンデレ確定かな。』


『ツンデレで幼女でエルフか。すごいな。』


『さて、そろそろ今後の対応を考えてみないか?』


『まず、本人の意見を聞きたい。今のところどーいう対応の予定?』


【今回すこし調子に乗って質問しすぎた気がするので、しばらくはあせらず、みかけたらあいさつくらいにしておこうかなと。

 もし、相手から話しかけて来ることがあれば、そこで話をするくらい?】


『そのくらいがいいかもしれないね。

 連絡先とか手に入れば最高だけど、そこにいつまでいるかもわからないわけだし。』


『そうだねー。どっちにしろ向こうが場所変えればそれまでなわけだし、そのくらいであせらずでいいと思う。』


『エルフの美人さんについての情報が欲しいです。』


『それは相当信用されないと無理だろうね~。』

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