図書館牢獄7
説明回です。
「おあよー。
こころをよむのーりょくと、とじこめられてるの、とりあえずかいけつしてきたー。」
「おはよう。」
「おはよー。
心を読む能力をなんとかする魔法、なんてあったんだね~。」
「のうりょくはそのまま。なくなってない。
でも、ききとれない。」
「あれ、能力をなんとかしたってことは封印したとかじゃないの?」
「めもでせつめいー。」
『今回の「心を読む能力」は、声を聴くと相手の心を読める、ただしなんでも読めるわけでは無く、相手の『言おうとしてやめたこと』について聞き取ることができる、という能力でした。
それを無力化するために、魔法で、『聞くはずの音』をいったん消してから、『消した音と全く同じ音』を再現して耳に届けています。
音声から読み取っているわけでは無く、声を聴いた時点で『その声を出したもの』の心を読むという効果範囲だったようなので、魔法で再現した声を聞かせることにより、『その声を出したもの、つまり魔法の心を読もうとする』状態になります。
魔法に心はありませんから、読もうとしても読むことはできません。』
「かんたんにいうと、でんごん?
なにもかんがえてないひとが、きいたままでんごんしてるみたいなもの、かな。
だから、こころをよもうとしても、なにもかんがえてないなーってかんじのことにしかならない。」
「なるほど、わかったよーな気も、する、かな?」
「その伝言の魔法って、使ってて何か問題が起きたりはしないの?」
「むー。
ぎゃくに、じぶんのこえをきかせることでなかまをたすけるまほー、とかがあったとしても、そーいうのもこうかなしになっちゃうかな。
ふつうのせいかつには、ぜんぜんもんだいないはず。」
「なるほど。同じようなしくみの魔法も無効になるわけね。
閉じ込められてたことについてはどんな解決したのかしら?」
『魔法陣を消しました。
ただし、「一部の魔法陣が消された時の自動修復」や、「消してしまうと中の人が閉じ込められる魔法陣」など、いろいろと罠が仕掛けられていたので、それを避けるためにいろいろと作業をしました。』
「たぶん、ごーれむとかにそうじさせるのがかんたんなほうほうだったかも。ふつうのまほーつかいなら。
とじこめられても、コアのぶんそんするだけですむし。」
「いや、たぶん普通の魔法使いはゴーレム使えないと思うなー。」
「み?
そなの?」
「たぶんすごく難しい魔法なんじゃないかな、と思うわ。
そんなの使える人のこと聞いたことないし。」
「むー。
たくさんいるんじゃないかとおもってた。」
「まあとりあえず、今回のはめでたし、ってことでいいんだよね。」
「らー。
としょかんはだれもはいれないままだけどね。あっちのひとは。」
「あー、そういえば、あっちの二人がやめちゃえば職員もいないわけだから、誰も入館許可書発行できる人がいないのか。」
「らー。
でも、もともとはっこーできてなかったし、おなじかも?」