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図書館牢獄4

第一書庫の、魔法陣が書いてある柱。

「第127辺境図書館」への扉の前に、3人が集まっている。


「さて。

準備はこれでだいじょうぶかな?」


「大丈夫だと思うわ。」


「らー。だいじょぶ、とおもう。

さっきせつめいしたとおり、とびらをとおったあとは、なるべくめもで。

わたしは、いざというときのおまじないがあるから、ふつうにしゃべるけど、みーたんとはーたんは、こころをよまれてこまるなら、しゃべらないほーがいいかも。」


「りょーかい。」


「了解。

ちなみに、おまじないって、どんなのかしら?」


「らんすうひょう。

てきとーなすうじを、ずーーーーっと、よみあげられるよーなもの、かな。」


「うわ、それはきつい。

自分で能力の切り替えできないなら、かなり恐ろしいことになるねそりゃ。」


「うん、それなら大丈夫そうね。

 普通の人なら耐えられなそうだわ。」


「あ、そーいえば、あれがあった。」

『アイテムボックス』

前方に手を伸ばし、他者には見えない『ボックス』からブレスレットを3つ取り出した。


「めもにかくね。」

『以前加工したブレスレットに『魔力吸収耐性』の効果がついたものがあったので、これに付け替えてください。

正確には肩代わり、でしょうか。ある程度吸われると壊れます。

ブレスレットの石が一つでも壊れたら、限界まで半分以下ということなので、すぐに脱出してください。これは必ず、何があってもです。

計算上は、1日いても壊れることはないはずですが。』


「りょーかい。ありがとね。付けたよ~。」


「了解。付けたわ。ありがとう。」


『魔法陣を通ったら、筆談で自己紹介した後、隣の部屋、おそらく書庫ですね、そこに移動します。

 その部屋に魔法陣がないようなら、いったんそこで情報収集をしながら様子を見ます。

 移動した先が危険だと判断した場合は最初の魔法陣の部屋に戻るのでついてきてください。』


「りょーかい。様子を見るってのは、例の2人が来るまで待つってこと?」


『はい。おそらく、休憩時間があるなら、休憩時間になったら接触しに来るのではないかと思っています。

 それまでは、本を読んだり何か変わったものがないか探したりして情報収集しましょう。

 できれば、中央図書館からの来客があったと言う150年前の情報が欲しいので、古そうな物や、変わった外見のものを探すとよさそうです。』




第127辺境図書館、受付部屋。

壁の魔法陣から6メートルくらい離れた場所で、2人の職員が魔法陣を見つめている。


「・・・来ないですね~。

えーっと。来たら、大声は絶対ダメ、話はゆっくり、でしたね。」


「ええ。そういう対応でお願いするわ。

誰かの声が混ざってしまうと、うまく聞き取れないみたいなのよ。」


「りょーかいです。

・・・あ、来たみたいですね。

準備おけーです。」


魔法陣が赤く光り、扉がゆっくりと開く・・・。


「にゅー。やっぱり、このとびら、おもいな。」


「お帰りなさいませ、シロ様。」


「おかえりー。」


「もどってきたー。

 あとふたり、くる。

 ふたりには、さっききいたぶんまでのせつめいはしてあるから、くりかえすひつようはないよ。

 ふたりはあんまりしゃべらない、ひつだん、する。

 あ、きくのは、ふつーにできる、ふつーにしゃべってだいじょぶ。」


「りょーかいです。」


「了解いたしました。」


再び扉が開き、2人が出てきた。

魔法陣から出てきた2人は、あらかじめ書いてあったメモを示す。


『帝国中央図書館、第一書庫職員、みやです。よろしく。』


『帝国中央図書館、第一書庫職員、はやてです。よろしくー。』


出迎える職員2人は、静かに、深いおじぎをした。


「ミヤ様、ハヤテ様、ご降臨感謝いたします。

 わたくし、第127辺境図書館、職員、サトであります。」


「同じく辺境図書館職員、サラです、よろしくー。

 ミヤさんとハヤテさんが来るときには、扉簡単に開いた気がするね。

 二人のほーが強いってことかな?」


「らー。せーかい。

 ぜんぜんちがう、すごいつよいよ。」


「そーなんだー。」


「さとさん、としょかんのなか、はいりたいんだけど、どっちかな?」


「は、はい。こちらの扉であります。」


「にゃー。ありがとー。

それじゃ、みーたん、はーたん、いってみよう。」


『おっけー。いきましょー。』


『そうね。行きましょう。』


3人が図書館書庫の中に入ると、真新しい外見の本が整然と並べられているのがわかった。

放置されていたという割には、古そうな本は全く見当たらない。


「むー。

ほんよみたいけど、まずはまほーじんさがしかなー。」


書庫を一周し、魔力の流れを確認しながら魔法陣を一つ一つ探していく・・・


「・・・みたかんじ、まほーじんはいっぱいあるけど、あっちのへやのまほーじんのほじょでつかうものがほとんどなかんじかな。

あぶなそうなまほうじんがないことをかくにん。

ここでは、しゃべってもだいじょぶ、だよ。」


「ふー、しゃべっちゃいけないのって、けっこう緊張するねー。」


「そうね。

 心を読める人と会うのなんて初めてだから、緊張したわ。

 そういえば、さっき魔法陣から出た時、魔法陣以外から魔力感じたんだけど、白ちゃんの魔力だったかしら?」


「み?

 ちからいれすぎて、ちょっとまりょくでたかも?

 もちょっとしめてみる。」


『静まれ、私の魔力。』

『魔力抑制・極』


「にゃー。これで、だいじょぶなはず。」


「んじゃ、とりあえず、予定通り本探しするわけだね。」


「らー。

 かなり、きれいにならんでるみたいだから、らくにできそうかも?

 まず、まわりのほんとみためちがうほんがないか、しらべてみよう。」


3人分担して、本棚から他と違う本を探し始める・・・。


「・・・これ、一冊だけ黒い装丁になってた。周りは青だったよ。」


「あいあとー。」

 (ぱらぱら)

「じゅもんかいてあるほんだった。

 いちおうおぼえたけど、つかわなそうかも。」


「あら、ハズレかな?

 次探してくるねー。」


「これはどうかしら?

 赤い本で、周りは黄色い本だったわ。」


「あいあとー。」

(ぱらぱら)

「ぞくせーまほーれんしゅうようの、かんたんなまほうのほん、だね。

 まほーつかいなら、すごくやくだつかも。

 でも、こんかいさがしてるのとはちがったね。」


「み?

 これ、いっさつだけ、うすいな。」

 (ぱらぱら)

「なるほどー。だいたい、わかった。

 みーたん、はーたん、もくてきのみつけたから、きゅーけいしよう。」


「休憩か。何しようか?」


「わたしは、ほんよむ。」


「それじゃ私も本を読んでることにするわ。」


「そんじゃあたしも本読みしてよーかな。」

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