××日目 土曜日昼前
しばらくの間、いろいろと訓練をしていたようです。
「さて。ほんじつ、5のようびのおひるまえ。
ついに、はしらのとびらのさきにいってみてみることにしたわけです。」
「ようやくだね~。
もうちょっと早めに行くもんだと思ってたよ。」
「まあ準備をしっかりしていくのはいいことじゃないかしら。
期間長めにしてしっかり訓練したおかげで、逆魔法陣もしっかり見分けられるようになったし。」
「らー。じゅんび、たいせつ。
いつもどれるかもわからないわけだし。」
「え?」
「ええっ?」
「み?」
「いつ戻れるかわからない、ってのはどういうことかしら?」
「このまほーじんだけだと、かたみち。
たぶんいったさきにかえりみちのまほーじんもあるとはおもうけど、かくじつとはいえない。
このくらいのなら、こわすきになったらいつでもこわせるし。」
「あー。
だから、外出届出しといた方がいいって話になったわけだ。
なっとくなっとく。」
「なるほどー・・・
って、帰れないかもしれないのに誘ったの?」
「あ、試してみたいって言ったのあたしだよ。
誘われたんではないかな。」
「きれいなかべがあれば、かえりみちはつくれる。
かえりみちのためのでぐちのまほうじんもこっちにあったし、つなぐまほうじんつくればかえれる。
だからだいじょうぶじゃないかな、とおもった。」
「あら、壁があれば帰れるのね。
そう考えると、かなり安心ね。」
「でも、壁があっても、白ちゃんがいないと扉作れないわけだから、白ちゃんとはぐれたらおしまいだと思わないとだめだね。あたしたち2人は。」
「そうなるわね・・・。」
「そーなったら、わたしもおしまいだとおもう。」
「そうかもね~。
それじゃ、はぐれないように気を付けていく、ってことでいいかな?」
「ええ。ふたりが行く気なら、私もついていくわ。」
「らー。きをつける。」
「それじゃいってみよかー。」
「そうね。行きましょう。」
「らー!」
「あ、そいえばさ。
出発前に聞きたいことあるんだけど。
白ちゃん、ポーション作りの特訓してたよね。」
「してたー。」
「良い感じなのできた?」
「まあまあいいの、できた。」
「それまでの失敗作って、どーしてたの?
やっぱり協会に納品とか?」
「なげたら、われた。」
「え、割ったの?」
「らー。
ぽーしょんをひゃっぽんなげてわる、それが、ひーらーのぎむ。
べつに、ひーらーじゃないけど。」
「そ、そーなの?」
「そーだよ?」
「そーなんだ・・・。」
「ちゃんと、われたびんは、れんきんじゅつで、こわれるまえのびんになおして、つぎのくすりいれるのにつかったから、むだにはなってない。だいじょぶ。」
「いや、ビンもだけど、中身もったいないなーと。」
「つくりすぎたから、ふつうにうると、ねくずれおこして、ほかのぽーしょんつくるひと、たいへんになるかも?
だから、むだにつかわないと、だめなかんじ?」
「値崩れ起こすほど作ったんだ…。」
「らー。いろいろなほうほうで、へらしたけど。」
「その練習の結果のポーション、どんな強力なことになってるのか、少し怖い気がする。」
「わたしなら、ぜんかいふく?」
「うん、たぶんそのへんの安いのでも白ちゃんなら全回復するよね?」
「そーかも。」
「・・・まあとりあえず、いざというときのためにそのポーションは持っておいて、行きましょか。」
「らー。いってみよー。」
※サブタイトルでは5の曜日→土曜日といった感じに、わかりやすいほうの表記に変えました。
月火水木土日、金曜日は無し。
「みや」と「はやて」は土曜日が午後休み、日曜日が一日休みです。