11日目休み時間
「白ちゃん、ただいま。」
「たっだいまー。
今日の昼ごはんは何にしようかな~♪
何かなじゃなくて、何にしようか、そう言えるのが贅沢な感じ~♪」
「おかぁい~。
はーたん、なんか、うれしそう?」
「うん、気分だけでもね~。
そのために、昼ごはんは食券使って豪華に行く計画だったのだ。」
「それは、うれしいなるね。」
「でしょ?
それでは、いくよー。」
「らー!」
・・・
「むー。
おいしい、けど、おおいね。
もう、たべれない。」
「そう?
あたしには、ちょっと少なめかなー。」
「私のはちょうどいいくらいね。」
「あ、もう食べないなら、残りもらっていい?」
「らー。
どうぞー。」
「ありがとー。
あ、これもおいしいねぇ。
今度これ注文してみよーかな~。」
・・・
「さてさて。
食事も終わったわけですが。
午後の仕事まで、何しようかな。」
「どうしましょうか。
今から外に出かけるには遅いわよね。
白ちゃん、なにかしたいことあるかしら?」
「ぽーしょんつくりのれんしゅー、しよかなと、おもてた。」
「ポーション?作れるの?」
「ほんよんだだけだから、やってみないと、わからない。
どーぐだけは、かってきてある。」
「ほほう。
ポーション、いざというときのために、1本くらい置いておきたいよね。」
「そうね。
お金に余裕はあったわけだから、今までに買ってもよかったんだろうけど、思いつかなかったわね。」
「まああの生活からだと、お金に余裕があったらポーションの前に食べ物に行くよね。しかたない。そこは。」
「いいのつくれたら、わたす?」
「いいの?
それならお願い~。期待しちゃうよ~。」
「楽しみにしてるわね。
・・・ポーション作りって、ちゃんと使えるのを作れるまでかなり苦労するらしいから、もし無理そうだなと思った時は無理しなくていいと思うわよ。
白ちゃんって、頑張りすぎちゃうところある気がするから。」
「らー。あいあとー。きを、つける。」
「それじゃ、どこで作るのかな?」
「ちかしつの、じっけんしつかな?」
地下1階、実験室。
厚い扉を通ると、小さな部屋があり、その先にまた厚い扉がある。
二つ目の扉の先の大きな部屋が、実験室になっているのだが、実験室の中央に大きな机が一つ、四隅に小さな机がそれぞれ一つ、椅子が4つあるだけで、実験道具のようなものは見当たらない。
床を見ると、排水用の溝があるのがわかる。
「ここで、つくるー。」
「意外と、においとかはないんだね。この部屋。」
「そうね。
実験なんて言うと、こう、魔女が大鍋でなにかを煮込んでる、とか想像しちゃうけど。」
「み?
そーいう、いめーじなんだ?
じっけんっていうのは、もくてきによるけど、だいたいが、いらないものはちかくにおかないほうが、よそうがいのなにかがおこったりするしんぱいは、すくなくなる、はず。
まあよそうがいのものがまざっていいものができる、っていうかのうせいもなくはないから、そのへんがむずかしいとこだけど。
においがのこってる、ってことは、まえにつかったものの××××が、のこってるってことだから、においけしてからじゃないと、へんなことになる。
さいげんできるじっけんをしたいときには、においとか、いろいろかんがえたあとに、はじめるといい、かも。」
「ほほう。
勉強になるねぇ。」
「そうね。
実験って、イメージとは違うものなのねぇ。」
「さて、ぽーしょんのつくりかた、にゅうもんへん~。
まず、にゅうばちひとつと、やくそうすこし、つかいます。
やくそうをいちまい、にゅうばちにいれて、ていねいに、すりつぶします。」
・・・すり潰された薬草は、真っ黒になり、腐ったようなにおいを出し始める・・・
「そーすると、このように、なんだかわからないへんなものがかんせいするので、それはすてます。ぽいっと。
にゅうばちをあらって、もういちまい、やくそうをいれて、またすりつぶします。
またへんなものができて、ぽいします。
くりかえし。」
「・・・『作りかた』なのに、ポイするの?」
「らー。
えっと、ちょうごうは、あるていどじょーたつするまでは、
なにやっても、だいたい、ごみができるらしー。
ごみができなくなったら、つぎのさぎょうにうつれる。
・・・できた。
すりつぶされたやくそう、かんせいー。
あとは、みずさしから、みずいれて、ろかきでこしてやると・・・。
ぽーしょんかんせい~。
ひんしつはわるいけど、はつのかんせいひんー。」
「・・・練習はじめたの、今日が初めてなんだよね?」
「らー。そうだよ。
どうぐも、きょうかった。」
「完成品できるの、早すぎじゃないかしら?」
「み?
そーなの?」
「ポーションは、製薬とか調合とか、対応するスキルが目覚めるまで、成功率0なんじゃなかったかな?
目覚めた後でも、スキルが上がるまで、かなり成功率は低かったはずなんだけど。」
「そうよね。
品質は鑑定してみないとわからないけど、こんな短時間で完成品できるのはかなり速すぎるのはわかるわ・・・。」
「つまり、わたしはくすりつくりがじょうずかもしれない、ってことかな?」
「・・・そーだね。
ひょっとしたら、ものすごい薬が作れるようになるのかも。」
「にゃー。
それじゃ、ふたりがしごといってるあいだ、すこしれんしゅー、してみる。」
「がんばってね。
はやてちゃん、そろそろ行かないと間に合わなくなるわ、急ぎましょう。」
「あ、そいえばそうだ。
行ってくるねー。」
「らー。」