10日目夜 ステータス確認
仮眠室。
3人が、部屋の隅にあつまり、スケッチブックから切り取った紙を見ながら話をしている・・・。
「うーむ。
やっぱり、そう簡単には読めるようにならないねぇ。この魔力文字。
ちょっとずつは進んでるけど、まだまだ遠そう・・・。」
「そうね。
でも、訓練始めた時よりは少し薄いのも見えるようになってきてるわ。
最終的にどのくらいまでの薄さまで行かなきゃいけないのかがわからないけど、こつこつがんばりましょ。」
「そだね。
あたしたちは、白ちゃんの魔力文字があるから、ほかの人よりはものすごくわかりやすく訓練できてるんだし、しっかりマスターしないとね~。
初日、っていうか始めて半日経ってないのに上達し始めてるとか、たぶん普通の訓練ではありえない速さ、だと思う。
あたしも何年か前に、魔力認識練習の本買って3日くらい訓練してもぜーんぜん、みえるところまでいかなかったもん。」
「み?
そーなんだ。
すぐみえるものでは、ないんだね。」
「人間の魔力って、強い人は強いけど、弱い人は本当に弱いのよ。
だから、これが魔力なんだね、ってわかるまでが長いらしいの。
ってことで、白ちゃんみたいに魔力強い人、もしくはエルフに、大きな魔力を見せてもらうのが、初歩の訓練としてはものすごい近道になる、と思うわ。」
「み?
おーきなまりょく。
それじゃ、あれでもつくってみる?」
「え?あれって?」
「なにかしら?」
「こーやって、りょうてをひらいて、
みーっと、ちからをいれる。」
ボールを抱えるような形で開かれた両手から、たくさんの糸のような形で、魔力がでてくる・・・。
その『糸』は両手の間の空間で、毛糸玉を丸めるかのように固められ、だんだん大きくなっていく・・・。
「おおきな、っていうと、もーちょっとかな?」
「うん、なんか、全力で逃げたほうがいいような気配を感じるんだけど。」
「あの、白ちゃん?
充分、充分すぎると思うわ。」
「そなの?
なら、そろそろ、かためるね。
こーやって、ぎゅーっと。
にゃー。できた。」
「えっと。
なんか間違いなくとんでもないものを作ってたんだろーな、とは思うんだけど。
白ちゃんの手を握ったくらいの大きさの石だね。
それって、いったいなに作ってたの?」
「まりょくけっしょー、だよ?」
「・・・魔力結晶って、専用の部屋じゃないと作れないんじゃなかったかしら?」
「できたものは、しかたない?
ほんとのつくりかた、しらないし。
まりょくをだして、かためてみたら、できただけ。」
「固めてみたら、って、そーいう感覚でできちゃうんだ・・・。
さっきの作って、疲れたりはしないの?」
「み?
いっこだけなら、あのくらいならまだつかれないかな。
なんこかつくるとつかれる、かも。」
「・・・物欲で考えると、
疲れるまで作って売って大儲け~。とか言いたくなっちゃうけど、
たぶん、これって、かなーり知られたらまずい領域のものだよねぇ・・・。
道具を通り越して、戦略物資に使えるレベル?」
「そうでしょうね・・・。
大きな魔力結晶と、遠距離魔法持ちの魔導士の組み合わせとかは、戦争でも使われるらしいし。
それを、「何個か作ると疲れるかも」なんていう軽い感じで作れちゃうなんて知られたら・・・。」
「ほかくしていっぱいつくらせよう、ってひとがでてくる、と。」
「・・・うん。たぶんそうなるね。」
「間違いなく、なるわね。」
「まー、もともとえるふじたいが、あれなかんじみたいだし、いまさらといえばいまさら、かも?
でも、とりあえずこれはしまっておくね。」
『異世界の宝箱・開錠』
「ぽいっと。」
「うん。その技も、ほかでは使わない方がよさそうだね。
すごい目立つよ、それ。」
「そうね。
ないしょにした方がいいわね。」
「み?
それなら、しかたない、かな。」
「それじゃ、おやすみー。」
「おやすみなさい。」
「すみー。」
み?
めにゅーがめん、よめるもじがふえてる。
「すてーたす」。
『HP ゼライム並み
MP 多い
FP ものすごく多い』
んーと。
FPが、まりょく。
MPは、きりょく。
HPはたいきゅうりょく、だったかな?
・・・そして、まさかの、もじひょうげん。
ゼライムって、ほんからのじょうほうによると、いちばんよわいもんすたー、だったかな。
まあわたしとどうれべるのいきものもいたってことで、たんどくさいかいではない、ということか。
あ、いちおう、げんざいのざんりょうもみえるんだ。
HPが1000、MPとFPが900ちょっとっていうことは、これはせんぶんりつか。さいだいちが1000ってやつ、だね。たぶん。
さっきあれつくったからまりょくすこしへってるのね。
すたみな、まんぷくどは、1100くらい、ってことは、すこしたべすぎ?すたみなはしょきちが1000で、それいじょうたべることもできる?
「そうび」。
み?
したぎまで、ひょーじ、されるのか。
まあいいか、ほかにみるひとも、いないだろし。
おお、「あいてむぼっくす」も、ひらけるように、なってる。
んと。
なにもってるのかな。
あ、やっぱり、ふく、あったのか。
ふくいちまいと、ぽーしょんじゅっぽん、きゅあぽいずん3ほん、やくそー30こ。どくけしそー20こ。
ぎんかが1000まい。けっこういっぱいもってた。
あと、つえが、10ぽん?
なんでこんなにはいってるんだろ?
あした、だしてみてしらべてみよかな。
「しょーごー」。
なにかあるみたいだけど、よめないか。
まあしょーごーなんかあっても、なのることもないだろーし、よめなくてももんだいはないかな。
あ、「けいじばん」がある。
えーっと。
・・・いたごとのだいめいはよめないか。
なかみはどうだろう・・・。
むー、よめないことはない、かな・・・。
もじのかたちが、ほんとちがうから、かなりわかりにくい。
でも、いいじょーほーあるかもだから、すこしだけ、がんばってみるか・・・。
むー。
こゆうめいしが、あんまり、よめるものおおくないかんじ?
そして、むずかしいことばを、がんばってよんだけっかが、おんなのこのぱんつのがらのこのみ、のわだい、だった。
まじめなわだいのとか、ないのかなぁ。
・・・じぶんで、かきこんでみる?
えっと、きーぼーどきのうは、んーっと。
でた。
あ、えるふもじしか、かけないのね。このきーぼーど。
むー。いまは、あきらめ、るか。ねむいし。
くぅ。