10日目(2)
「さてさて。
かなり予定が変わっちゃったわけだけど。
とりあえず、今日みんな休みだから、どこかいってみない?」
「それなら、としょかんの、とびら、いってみたい。」
「扉?
第2書庫とか第3書庫のことかしら?
あっちのほうにはあまりいったことないはずよね。」
「それと、ちがう。
はしらの、とびら。」
「柱の・・・。
あ、柱の位置関係書いてあったメモ。あれがなんか関係あるのかな。」
「らー。
あれに、かいてある。」
「んー。
なんかわからないけど、白ちゃんが行ってみたいなら、お供しましょー。
面白いことかもしれないし。」
「そうね。予定もなかったし、行ってみましょう。」
図書館の第1書庫。
外周には幅2メートルほどの真っ白な柱と、大きな本棚が交互に配置されている。
その柱の一つの前で、立ち止まった。
「ここのとびら、ほしひとつ。
たぶん、いちばん、かんたん?」
「えーっと。
普通の柱に見えるけど。扉なの?」
「らー。
ぎゃくまほうじん。
くろじゃなくて、しろでかくかんじ?」
「うーん、そーいわれても見えないなぁ。
普通の柱にしか見えないよ。」
「私も、普通の柱にしか見えないわね。」
「むー。
それなら、あけてみる。
そーすれば、みえるかな?」
「まず、れいのかみをだす。」
「あ、入館許可書だね。」
「これつかうと、ほしみっつまでのとびらをみつけれる、みたい。
このかみをちかづけて、とびらがみえたら、こうやって、あけてみるっと。」
腕が壁の中に沈んでいく・・・。
「おおー。
扉は見えないけど、壁の中に手が入ってるね。」
「み?
これでもみえない?
いま、とびらあけてるんだけど。」
「扉は見えないわね。
壁の中に手が入ってるように見えてるわ。」
「白ちゃん、このあたりって、扉部分?」(こんこん)
「み?
そこ、とびらがあいてる、なにもない、はず。」
「んー。
ということは。
これは、扉が見える人しか通れないみたいね。」
「にゅー。
みんなで、あそびにいけると、おもったのに。」
「・・・よし。
魔法陣を見れるように、特訓してみよー。
魔力認識スキルだよね。」
「み?
とっくん、するの?」
「魔法陣が見えるようになれば、この柱の数だけ、どこかとつながる扉を開けれるようになるわけでしょ?
どこにつながってるのかはわからないけど、なんかお得な気がする。
特訓して試してみる価値はあるんじゃないかな。
白ちゃん、手伝いお願いしていいかな?」
「らー!
てつだうー。」