9日目(4)
「ただいまっと。」
「たらいー。」
「ただいま。」
「いろいろ見て回ったねぇ。
お昼もおいしかった。」
「そうね。
あら、白ちゃん、眠くなっちゃったかしら?」
「らー。ねむい。
でも、ぎゅってする。」
「ぎゅって?
なんだろう。わからない。」
「したの、まほーじん、いく。」
「ふむふむ。地下の魔法陣の部屋に行くと。」
「らー。」
「毛布は持っていく?」
「らー。もてく。」
「了解。そんじゃいこうか。」
地下3階の、多目的室。
縦横20メートルくらいはありそうな広さに、何も家具、道具が置かれていない部屋。
まあ確かにいろんな目的には使えるだろう。邪魔なものがないという意味で。
今までとは違って、中央に大きな魔法陣が設置されている。
中央に毛布を置いて、その上に横になる。
「ここで、ころがる。」
「りょーかい。
とりあえず、1刻(2時間)くらい経ったら様子見に来るってことでいいかな?」
「らー。
たぶん、そのころ、かも。
それじゃ、ごろごろー。」
「それじゃ、あたしとみやっちは上にいるね~。」
「らー。」
・・・
「交代で部屋の前に待機、だよね。」
「そうね。護衛だからね。」
「廊下がもうちょっと広ければ、テント張ったりできるんだけどねー。」
「昔は地下迷宮って言われてた場所らしいし、そこまで期待するのは贅沢なんじゃないかしら。」
「そだね。
でも、この廊下って、長くいると、体力けっこう減るんだよね~。」
「まあ装備なしで迷宮に長くいて体力回復する人はあんまりいないでしょうね。」
「そんなわけで交代制。
あたしが最初に番するよ。四半刻(30分)交代でいいかな?」
「ええ。わかったわ。
それじゃ、四半刻後に来るわね。」
「りょーかい。」
・・・
「こう、すこーしだけ、ぎゅっと。」
「むー。
これでも、こわれる。」
「じぶんで、つくったほが、らくだたかな。」
「ぜんぶこわれる、したら、かんがえ、する」
「・・・み?
できた。
これ、くらいか。」
・・・
「そろそろかな。
白ちゃん、そろそろお昼寝終わったかな?」
「おかぁい~。
ぎゅっと、できた。」
「ん?
今日買ってたブレスレットだね。」
「らー。これ、ぎゅっと、した。」
「少し色が変わってるような気がするわね。
ひょっとして、なにかの加工をするためにあんなに買ったのかしら?」
「ああ、失敗すると壊れたりするらしいしねぇ。
でも、なんの加工したんだろ?」
「なんだろう?」
「なんだろう、って、白ちゃんが加工したんだよね?」
「らー。
でも、なんだろう?」
「うーむ。
何かの加工をしたっぽいけど、なんだか本人もわかってないってことかな?」
「そうみたいね。
まあ危険なものではない、と良いけど。」
「そこは断言しとこうよ、一応。」
「私にもアクセサリの鑑定スキルなんてないから、本人がわからない物はなんとも言えないわ。」
「まあそうなんだけどね~。」
「こっちがみーたんの、こっちがはーたんの。」
「ありがとう。さっそくつけてみるわね。」
「ありがとー。付けてみるね~。」
「どう?」
「うん、良い感じ。おしゃれな感じの色なんでないかな?」
「そうね。加工前より良い感じの色になってるみたいね。」
「にゃー。よかた。」