8日目休み時間
「白ちゃん、ただいま。」
「おかぁいー。」
「あら、まだ来てないのね。はやてちゃんは。
あんまり遅いようなら捕まえに行ってくるわ。」
「にゅー。」(足踏みとんとん、魔法陣作成)
「どう?」
「え?
どう、と言われても・・・。
今までの魔法陣より小さいなぁ、ってくらいしかわからないわ。」
「あいあとー。」
・・・
「くぅ。」
「あ、待つのあきて寝ちゃったみたいね・・・。」
「ただいまー。」
「おかえり。遅かったわね。」
「またセンパイに捕まっちゃってさ。
尾行避けるとか無理だからそのまま来ちゃった。」
「やぁ。偶然だね。」
「偶然だね。じゃありませんよ。
はやてちゃんについてきたんでしょう?」
「それは心外だな。
たまたま行きたい方向に歩いてきたら、同じ方向だっただけだよ。
歩く方向まで指示されることもないだろう?」
「まあそうですけど。
先輩は第二書庫の職員なんですから、目覚めの刻(10時)から仕事なんじゃありませんか?
目覚めの刻過ぎてますけど。」
「偶然にも休暇をとってたのでね。
このへんで本でも読もうかと思ったんだよ。」
「このへんって、ただの廊下ですけど。そこ。」
「廊下で本を読んじゃいけないのかい?」
「図書館規則にそういうのはありませんでしたね・・・。」
「みやちゃん、そろそろ入れてもらっていいかな?
眠いから横になりたいんだけど~。」
「あ、わかったわ、はやてちゃん、どうぞ入って。」
「ありがとねー。」
(ぱたん)
「さて、どうしましょか。」
「この調子だとこっちが出てくるまでずっと待機してそうね…。」
「『仮眠室の昼間の貸切は1回2刻半(5時間)が限度で、それを超えると他の人でも入れるようになる。』
ちょうどもうすぐ時間になっちゃうねぇ。」
「魔法陣について知りたくて追ってきてるのよね。
いっそのこと教えちゃえば追いかけてこなくなるんじゃないかしら?」
「にゅー。」
「ん?あ、メモ?
なんか書くの?」
『あれにはおしえたくない』
「おお、文字が書けるようになったんだ?」
『かくもじは、かなりおぼえた
よめる?』
「うん、読める読める。
すこしだけ歪んでるところはあるけど読むにはぜんぜん問題ない程度だよ。」
『よかった。』
『あれと、はなし、する。』