武闘家Aの散歩。
とりあえず様子見のために、近くの市場に入ってみたはいいが。
野菜か果物かわからないが蛍光色のものがあったり、肉や魚がどう見てもモンスターだったりするのを除けば、普通の市場だな。
それと武器や防具の店と、巻物みたいなものを売ってるところもあったな。
・・・考えてみると普通の部分があんまりないかもしれないな。
「よぉ、そこの兄ちゃん!
うちのカツ丼食ってかねぇか、今日は良い肉使ってるぜ~。」
「お、そうなのか?
何の肉使ってるんだい?」
「聞いて驚け、双角羊だぜ」
双角羊、って、かなり強いモンスターだったよな。あれ。
「ベータの頃攻撃しかけて轢かれた覚えがあるよ。」
「轢かれて・・・!?
よく生きてたなぁ。あれの攻撃で生きてられたんなら、相当運が良かったんだな。
まあべーたってのがなにかはわからねぇけど。」
「ん?
あ、ああ。
一撃で重傷だったけど、重傷で済んだんだから運が良かったんだよな。」
「うんうん。そうだと思うぜ。
あ、わりぃ。いやなこと思い出させちまったか?」
「いや、今は気にしてないし、大丈夫。
あ、そういえば、このコイン使えるかな?
この辺来たの初めてだからよくわからなくてな。」
「どれどれ、って帝国銀貨じゃねぇか。
それが使えねぇ店はこの国にゃねぇだろうし、あったらもぐりだぜ。」
「そうか、安心したよ。
使えないって言われたらどうしようかと。
で、その良い肉使ってるカツ丼はこれ何枚で買えるんだ?」
「ははは、良い肉って言ってもこんな屋台で銀貨まではとらねえよ。
20チップだ。いつもよりかなり高いが、後悔はさせねぇ味だぜ。
ちなみに知ってるだろうが銀貨1枚は100チップだぜ。」
「ほう、それじゃ1杯頼む。」
「まいど。
ほらよ、出来上がりだ。」
早いなずいぶん。
どれどれ。
「うーまーいーぞー。
なんだこの肉。めちゃくちゃうめぇ。」
「どうだ、その辺の店のとは違うだろ。
時々しか手に入らないから次は出せないだろうがな。」
「ああ、最高だぜおっちゃん!」
『双角羊』モンスターレベル200
普段のんびりしている巨大羊。
こちらが攻撃をしなければほぼ無害。
攻撃方法は突進だけだが、普段の様子からは想像もできない速度と威力を誇る。
戦闘は計画的に。