表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/446

ゲーム開始前。何事もない日常。

通学路。

話しかけられて笑顔で対応する一人の女子学生。

だが、その歩きは早く、足を止める様子はない。


「おはようございます、白姫様。」


「おはようございます、白姫様。」


「ああ、おはよう、桜姫、蒼姫。」


「あ、あの、今日もお美しいですねっ。」


「ありがとう。桜姫も美しいよ。

この冬にも負けず輝く姿、本当の桜にも見習わせたいね。」







高校の教室。

授業中だが、半数以上の生徒が眠っている・・・。



「で、あるからして、この文章から読み取れることがだな、

こういうふうになっているわけで・・・」


(やべぇ、さっぱりわかんねぇ、じじぃの説明・・・。)

(っていうか眠い・・・。)

(俺はもう限界。がくり。)

(お前も限界か。俺もだ。ぱたり。)


「この時、筆者の考えていたことはなんだ?

白姫。答えてみなさい。」


「はい。

『そろそろこの主人公を殺して完結させたい』です。」


「馬鹿者!そんな内容どこにも書いてないだろう!

 不正解だ。」


 

「この筆者から友人に送られた手紙が残されています。

 その手紙にはこんな内容が書かれていました。

『あの話を書いている時、常に彼に対する殺意が湧いていた。

 彼を殺せばこの話を終わらせることができる。と。』

 つまり、この『筆者』が私の回答が正しいと証明してくれているわけです。」

 

「さて。

 先ほどの判定に修正はありますでしょうか。

 修正がないならば、」

 

「すでに亡くなった人の考えの表明を無視し」


「『考えを作品から読み取れる』という自分の妄想によって捏造し」


「しかもその捏造した妄想を他者に押し付けた」


「この上なく『卑怯』で『愚か』な行為だと思われますが。」

 

「考えを読み取ることができないこの『馬鹿者』にはっきりと教えていただきたいですね。」


 

「・・・わかった。正解で良い。」

 

「はい。では、授業の続きをどうぞ、八百万先生。」

 









放課後。


「よう、白姫。元気か?」


「・・・ああ。黒の騎士。まあまあだな。」


「・・・すまん、普通に呼ぶから勘弁してくれ。黒の騎士は。」


「なんだ、まだ慣れないのか?

私はとうにあきらめたが。」


「慣れないな。

なんだよ黒の騎士って。

日本人なんだからみんな黒髪だし男子はみんな学生服も黒だろうに。」


「肌が少し色黒、という程度だな。」


「だろ?

あ、日傘持つぜ。」


「いつもすまないねぇごほごほ。」


「おひぃさんそれは言わない約束だよ。

ってこんな冗談言ってるの聞いたらあいつら倒れるかもな。」


「人が多いところでは言えないな。いうつもりもないが。

私がいつもと違った行動をとると、なぜか叫びだしたり倒れたりする者が出てきて時間を浪費することが多いからな。

ある程度いつも通りに動いたほうが効率的だ。」


「ああ、お前がカリンキーのCMソング鼻歌で歌ってた時のことか。

あの時は学級閉鎖一歩手前まで行ったな。」


「歌が上手ではないのはわかっているが、倒れるほどではないと思うのだがな。」


「歌の選択の間違いだと思うぞ俺は。」


「ところで。

お前が病弱なお姫様、って笑うしかないよな。

体力測定で女子一番の成績だっただろこの前。」


「多少の誤差はイメージで修正されるらしいな。」


「多少、で済むのか・・。」


「それにしても、どうしてこんな扱いになるようになったんだろうな・・・。

休み時間に動かないのは本を読んでいたいだけだし。

色白なのだって日焼けする前に赤くなる体質だから日光を避けているだけなんだが。」


「最初に言われだしたのはそーいう原因だろうけど、定着したのはお前が相手のこともなんとか姫って呼んでやり返したからだと思うぞ。

あれでみんなお前に姫って呼ばれてみたくて真似するようになったんだ。

この学校何人いるんだよ、姫。」


「少し前に100人は超えたな。

いっそのこと女子全員姫にしてしまえば、私もそれほど話しかけられなくなるんじゃないかと思うんだが。」


「いや、お前が中心になってるんだから、減りはしないと思うぞ。」



「ところで、毎日この時間帯考えることなんだが、通学中に本を読めないというのは不便だな。」


「歩きながら読むのはやめておけよ。

以前帰り道で本を読みながら帰って来れないか試した時は家を通り過ぎて本を読み終わるまで歩き続けただろ。」


「うむ。そういうこともあったな。

あの時は世話になった。ありがとう。」


「そーいえば、あの爺さん相手にするとき、もうちょっと加減してやったほうがよかったんじゃないか?

まあ完全に心を折るところまでやってないから多少の加減はしてるんだろうが。」


「私が本を読んでいる途中に話しかけられて返事をしただけでもかなり気を使っていると思うのだが。」


「ああ、そういえば何も聞こえなくなるんだよな。お前が本読んでるときは。」


「聞こえてはいるぞ。聞いたことに対応して動くつもりが一切なくなるだけだ。」


「聞こえないよりたち悪いな。

どうせ教科書の内容なんか一字一句覚えてるんだろうから、授業中は教科書開かないで授業聞いてみる、ってのはどうだ?」


「本を目の前にして開くなというのか!?

そんな飼い犬にお預けし続けるような残酷なこと、よく思いつくなお前。」


「それなら授業中だけは本を読んでる途中に話しかけられても冷静に対応できるようにしとけよ。

そーでないなら寝とけ。

その方がなんぼかやさしい。」


 ふむ。その手があったか。

 確かに本を読んでいる時よりは早く対応できるな。

 考えておくことにしよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
地の文がなさすぎて誰が何を喋ってるのか全然わからない…。 自分の読解力がないだけなのかもしれないけれども。 とりあえずもう少し話読んでみます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ