第6話:【第一章】みっしょん
筋肉痛から解放されて十日ほどたちました。
「アルチェ君、お使いに出て貰えるかな?」
草刈りしてたら、めずらしくウメさんが来ました。なんか急ぎですかね?
「隣国のアルメスまで書簡を届けたいんだけど、いい機会だからチュートリアルみたいな感覚で行ってきて貰えるかな。」
…配達ですか、アシは?
チュートリアルは配達多いですから納得できるんですけど、まだ、筋肉痛になりやすい時期らしいですから徒歩は厳しいですよ?
「乗り合い馬車なら安全だからソレで行って貰えるかな。
車輌なら早いけど国内はともかく、ノーマルエリアへの立ち入りは結構制限かけてるからね、乗り物とか重機を向こうに持ち込みすると問題あるからね。」
…重機ってユンボ?
「その顔でユンボとか凄い違和感だ…。
ソレらもそうだけどどちらかといえば、ヒトガタと空を飛ぶ機械類かな?」
今はともかく背後さんは男でしたからね、今じゃ立派な漢女です。
なんでだろ。みんな知ってるんじゃないんですか?
「一部を除いたヒューマン市民のほとんどは、この世界以外は知らないって、初日にしてあったはずなんだけどね?」
ウメさん、ゴメンひきこもる気まんまんで外の情勢はあまり聞いてなかった。
…うん、忘れました?
「…支援職の人は、いずれ各地にある祠に門番(サポート係)として派遣されてるって話しも忘れてる?」
あっ♪それは覚えてますよ?
ただ、山奥とか人気のない場所を探してもらってますねぇ。
ぽんっと手を叩いて消極的な返事を返す。
「ならいいか。それで、その書簡なんだけど、ついでにその国で、巫女もしくは隠者としてしばらく研修をしてきてもらう事になると思う。」
「!?」
どうやら、旅立つ事になりそうです。