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ふわふわ。  作者: 水無月
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忘れていること

高校生になって3ヶ月が過ぎようとしていた。最近一日が早くかんじる。これもクラス委員になってしまったからなのか。新しいクラスが同中出身が多く、「水原さんが適任でーす!」なんて言いだしやがって、反論むなしく無理やりなってしまった。まぁ別にそこまで嫌じゃないし、やりとげた後っていうのはなんとも気持ちがいいもんだし。

副委員長は同中らしいけど、こんなやついたっけか?茶髪でピアスで見た目チャラいけど、口数は少なくて礼儀正しいし、頭も悪くない。運動はダメらしいけど。なんか聞いたことある名前だけど思いだせない。委員になってから一度も二人っきりでしゃべった事ないし、むこうはなんか私のことをさけてる感がある。まぁ、いいんだけれど。

そして書記は心だ。立候補って・・・。心がこんなめんどくさい役やるのは意外だ。もっと華やかなのが似合ってるのにな。でも一緒にいられるのはうれしい。

「ねぇ葵、どう思う?」

やばい。話きいてなかった。なんだっけ?心が記録してるノートを見ると、《夏といえば、おばけ、祭り、カキ氷》と書かれている。なんのこっちゃ。

「ええっと、いんじゃないい?」

適当・・・。

「本当にいいの?肝だめし大会?神社で?本当に大丈夫なの?」

心がずいっと近づいてくる。神社で肝だめし?なんじゃそりゃ。いつの間にそんな事になったんだ。

「まぁ、でも親ぼくを深めるんだったらいいのかな?神社に迷惑じゃない時間にやらないとね。」

決まったのか?放課後に私と心と副委員長が残って、クラスがより一層仲良くなる為に、夏休みに何かやりたいという話になり、ここにいる。肝だめしかぁ。悪くないけど副委員長はそれで大丈夫か?

「まずは担任に聞いてからだな。じゃないと後からダメってなったらめんどいし。」

一人で進めようとする心を促す。そっかぁ・・と言って教室から出ていった。パタパタとろうかを走る心の足音が遠くなっていく。

シンと静まる教室。気まずいな。なんか話さないと・・。副委員長は帰る仕度を始めてしまってるし、どうしようか・・・。

「あのさ」

口からつい出てしまった。まだ言うこと決まってないのに!バッと、びっくりしたようにふり向かれた。なにかを期待されている目。

「あのさ、同中だったんだよね?私のことおぼえてる?」

がっかりした表情だ。なにか悪いこと言ったかな。はぁ・・と、ため息をされる。

「水原さんは俺のこと、全然覚えてないかんじですね。」

ツンツンした言いかただ。怖い顔をしている。

「名前は間仲昴(まなかすばる)です。中学では黒髪でメガネで背はもっと低かったです。3年間、水原さんと同じクラスで、一緒に体育祭の委員もやりました。それに一度・・」

一度・・なんだ?言葉に詰まっている。ヴヴンっとせきばらいをし、キッとこっちをみる。

「一度あなたに告白して、フラれてます。」

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