表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふわふわ。  作者: 水無月
32/40

かん違い

状況がよく分からない。2人でいるって事は、間仲に告白されてたって事?腕の中の心が涙ぐんでいるのは、間仲に泣かされて他たの?どうして?間仲が女の子を泣かすなんて、そんな事しないって思ってたし、思いたくない。でも実際そうなってるし・・・。

心が鼻をすすっている。間仲でも心を泣かせたのは許せない。

間仲は壁によりかかって足元を見ている。怒ってたり、悲しそうな表情じゃなくて、何かつらそうに目がくもっている。


「間仲、なんで・・。」


最後まで言う前に、心がさえぎった。


「違うの葵。ちょっと間仲くんに聞きたい事があって・・。それで私が勝手に泣いただけで、間仲くんは何も悪くないの。本当だよ?」


かばっているのか、本当なのかよく分からない。じっと心の目を見る。


「心配かけてごめんね。探してくれたんだね・・・。」


下を向いて、私の手をギュッとにぎる。何を話してたのかは言ってくれないみたい。ちょっと切なくなる。

予鈴が鳴って、間仲がなにも言わずに歩きだした。横顔がちょっと怖かった。


「あ・・間仲。」


ゆっくりと私を見てきた。とっさに目をそらす。


「ごめん。かん違いして。」


心が手を強くにぎってくるのが伝わってきた。


「いや。俺こそ・・。」


小さくため息をついて行ってしまった。声が、ちょっとだけ震えていたように聞こえた。


「葵、私たちも行こう。授業遅れちゃう。」



教室に帰ると、奈緒美が心にパンを渡した。


「食べきれなくってさ。心にあげる。」


奈緒美が食べきれないとかありえない。底なしなのに。心の口に詰めこんでいる。

薫は「お帰り。」しか言わなかった。

席に着いて間仲をちらっと見る。いつも通りの様子でなにも変わらない。なにがあったんだろう2人に。心は聞きたい事があったって言ってたけど、じゃあ・・告白とかじゃないなかったんだよね。なんで泣いてたんだ?・・・もしかして間仲の事がが好きとか?それで誰が好きなのか聞いてたとか?いや、逆か?間仲が心にしつこく聞いてて、それを私に知られたくないからとか?

全然分からない。授業中もそればかり気になって、内容が頭に入ってこなかった。

帰りのホームルームが終わりそうになった時、担任が私と間仲の名前を呼んだ。


「あー・・クラス委員と副委員のお前らはちょっと残れ。仕事があるから。」


なにそれ!?なんで今日なの!?間仲はこっちを見ないで担任について行く。

奈緒美が肩をポンとたたいてきた。


「おつかれさん。心は責任もってあたし達が送ってくから。」


心の腕をグイッと引っぱった。


「えっ!?奈緒美?私、葵のこと待つよ!?」


手をバタバタさせてるけど、無理やり連れて行かれてしまった。

薫がため息をついた。


「また明日・・。」


なんか・・。なんだろう。きっと2人なりに色々と心配してくれているんだよね?


「おーい!早くしろー!」


廊下で担任が急かしてきた。しかたないよね?委員なんだから・・。間仲の後ろについて歩きだす。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ