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ふわふわ。  作者: 水無月
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今までと違う

2人で文化祭回るって言っても、もう4人でほぼ行っちゃったから行くところがあんまりない。前を歩く心も、何も喋らないからちょっと気まずい。最近は文化祭の準備で2人だけで話すのが少なくなってた気がする。だからかもしれないけど、心も気まずそう。

前は気まずいなんて事なかったのに。2人一緒にいるだけで満足だったのに、どんどん欲張りになっていってるような・・。想いは伝えることはできないと分かっていても、一緒にいれる事以上をこころのどこかで望んでるのかも知れない。


「葵、大丈夫?つまんない?」


いつの間にか、前を歩いていたはずの心がこっちを見ていた。つまんないなんて、そんな訳ない。そんなにヒドイ顔してなのかな。


「そんな訳ないじゃん。ちょっと考え事しててさ。ごめんね。心はどこ行きたい?」


うまく伝えられない。そりゃそうかも知れないけど。


「私はなんでも楽しいよ。葵は実行委員で疲れてるでしょ?どっかで休もうか。」


中庭に出ているイスに座った。知らない学校の制服を着た子達や、大人達を2人でボーっと眺めながら、会話を探す。でも見つからない。

なんでかな。最近あんまり喋ってなかったから、話すことなんかいくらでもありそうなのに、上手く見つからない。前は考えるより先に喋ってたのに、なんでかな。上手い会話が見つからない。

ザッと急に心が席を立つ。びっくりした。


「私、トイレ行ってくる!」


小走りで行ってしまった。

ごめんね、心。つまんなかった・・よね。なんか上手くいかない。なんでかな。

はぁーっとため息が出てしまった。幸せが逃げていく。なんちゃって・・。


「幸せが逃げちゃうよ。」


後ろから声がしてふり向くと・・・間仲だ。ドキッとする。なんか体中の血がドクドクいってる音が聞こえた気がしてはずかしい。少し汗をかいていて、口元が笑っている。運動でもしてたのか?さっきまで心が座ってたイスに座り始めた。心が帰ってきたらどうしよう。


「斉藤さんは?さっきまでいたでしょ?」


こいつ見てたのか?まぁ、いいけど。


「トイレ行った。すぐ帰ってくると思うけど。」


ちょっと今のキツくなかったかな?かんじ悪く言っちゃったかも。だけど間仲は、ふぅん。と言っただけでイヤそうじゃなかった。良かった。

間仲ってよく見ると、かっこいい方だと思ってしまった。背も高いし、顔だって整ってるし、昔より服装だってマシだし。周りの女の子が騒ぐのも分からなくもない。いっぱい告白されてるの断ってるらしいけど、本当はもう誰かと付き合ってたりとかしてるのかな?胸がザワザワする。なんだろう。この感じ・・・。


「あのさ、水原さん。」


急に話しかけられて、ビックリした。


「もし良かったらなんだけどさ・・」


なんだろう。なに言われるんだろう。


「夜の花火、一緒に見ない?」


そう言い終わったと同時に、間仲の後ろに心が立っていたのに気づいた。

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