95.めんど
みさやま・ぽんぽこぅ、さんこと、ぽんぽこさん。
仲間にならなくていいと言ったら、引き留めてとか言ってくるし。
もしかしてこの人、かなりめんどくさい女性なのでは。
ぽんぽこさんは真顔のまま、フリップにキュキュッと文字を書く。
【一体、仲間加入に何話かけてるの? 冗長じゃあない……?】
あ、あなたねぇ。
誰のせいだと思っているのか。
「シャー!」
私の腕の中のましろが、牙を剥いて威嚇した。
『【そろそろこの狸、たぬき汁にしていい? むかつくんだけど?】ですって。ましろ様、それはちょっとご勘弁を……あたしらの仲間みたいなかんじですし……』
愛美さんがなだめるような口調で言う。
と言いつつも、彼女はましろを全力で止めようとはしていない。
目線を気まずそうに逸らしている。
もしかして、愛美さんも、ちょこっとこの狸さん、めんどくせ、と思ってるとか。
【まあ、まあ。では、このぽんぽこさんを仲間にできるかどうか、決闘で決めましょう】
「『『決闘……?』』」
何を突然言い出すんだろう、この狸。
【古来、ナーロッパでは、何かもめ事があったときは、とりあえず決闘と決まってるので】
ナーロッパってどこ。
どこの地方の決まり事を言ってるんだろう。
私の知らない異国の風習なのだろうか。
『ぽんぽこちゃんは、戦えるんです?』
愛美さんが尋ねる。
【無論。ぽんぽこさん、ちょー強い。激やば】
フリップには自信満々な文字。
うーん、ただの狸にしか見えないし、強そうにはまるで見えないんだけど。
それに、別に戦う必要性ってそもそもないし。
【戦うのかい?? 戦わないんかい? どっちなんだいっ!】
ぽんぽこさんが、ビシッと腕を伸ばして筋肉を見せつけるようなポーズを取る。
圧がすごい。
「じゃあ……戦わないで」
平和が一番だしね。
【えー! ここ、戦う流れじゃーん。ぽんぽこさんの強さを読者に見せつけておく流れじゃーん!】
フリップをバンバンと叩いて抗議してくる。
め、めんどくさ。
「じゃあ、戦うで……」
【同族で殺し合うか……フッ……それもまた宿命……】
ぽんぽこさんが、やれやれといった風にフリップを掲げ、遠い目をした。
さっきとキャラが違う。
私、愛美さん、貞子さん、そして……アメリアさんまでも、心が一つになった。
((((めんどくせ……))))
【おしらせ】
※1/19(月)
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