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袋のネズミ!!


 リーベル都の中で彼らはコカトリスの群れに囲まれている。


 コカトリスの群れ「キキキキキ……」


 ダダン「………やばくね?」


 ザート「……まずい……」


彼らの周りの瓦礫の陰、崩れかかった建物の中、至るところに鳥達はいる。

彼らを見つめるも(いま)だに微動だにしていない。しかし、彼らに張り詰めた空気がのしかかる。


 ダダン「どうする?これ……」


 ザート「3、2、1で走るぞ、…………3…2…1!!」


   ダッ!


2人は城に向かって走った。


 コカトリスの群れ「ギギガガキィーー!」


黒板を引っ掻いたような鳴き声を出し、一斉に彼らを追いかけた。


 ダダン「走っ、た、は、いい、け、ど、どこ、に行、くん、だ?、あ、あ!なん、これ、うぜえ!!」


コカトリスの尾のヘビに連続で睨まれ何度も一瞬止まっている。


 ザート「コカトリスのヘビに睨まれているんだ!建物の屋根に逃げよう!僕が氷で足場を作る!」


  ガキン


そう言うと階段のような屋根に行く氷の塊を作り出した。


ダダン「便利だ、なぁ!そ、の魔法!」


氷の階段をかけ上り、ボロボロの屋根の上についた。

2人は屋根の上を走っている。

コカトリス達はそれを追いかけて続々と屋根に登っている。


 ダダン「めっちゃくるじゃねぇか!」


道中に現れた鳥をなぎ倒しながら進んでいる。


 ザート「前見ろ!前!!」


指した先を見ると屋根がそこだけ途切れていて、上手く跳ばないと向こう側にいけない。このまま進んだら落ちてしまう。


 ダダン「跳ぶぞ!!」


屋根の端が近づいてきた。

今まさに跳ぼう、地面をおもいっきり蹴った、

そのとき、


 ダダン「あ、が……」


ダダンだけコカトリスの尾のヘビに睨まれ硬直した。

ザートは上手く向こう側に跳べたようだ。


  スタッ


 ザート「ダダン!?」


ダダンらヒュ~と屋根から落ちてしまい、ガシャンと瓦礫の上に落ちた。

ザートは屋根から覗き込み、様子を見ている。


 ザート「大丈夫か!?」


 ダダン「いった……大丈夫だ!!先行け!!」


 ザート「……ッ、分かった!!」


ザートが去った後、次々にコカトリスが屋根の穴をジャンプして通りすぎた。


 ダダン「くっそ……ッあっち狙えよな!!」


何匹かのコカトリスが追って来たようだ。

急いで立ち上がって全速力で逃げる。

自分が落ちた所から離れ、崩壊した建物とガレキの間を縫って走った。


 ダダン「しつけえんだよ!!」


 コカトリス達「キィーーー!」


 ダダン「こうなったら!!来い!ゴブ子!」


すると、いきなりバッと地面から緑色の太い腕が生えた。

腕の主はゆっくりと地面から這い出てくる、

それは緑の肌と大きな体を持ったホブゴブリン、そして左手にはこん棒を持っていた。


 ゴブ子「グオォ!!」


ゴブ子は地面から出てきた瞬間、ダダンに向かってくるコカトリスこん棒でなぎ払った。


  ブォン!


    ガッ!


 コカトリス「ギィ!!」


勢いよく壁に打ち付けられて体がつぶれてしまう。

そして残りのコカトリス達が怯まず向かってくる。


 コカトリス「キキキキキ!!」


コカトリスの尾のヘビがゴブ子を睨んだ。


 ゴブ子「ガ、……」


鳥達はすかさずゴブ子に接近し黒い息を吹きかけようとする、


 ダダン「援護!」


そう叫ぶと建物の中から杖を持ったゴブリンが現れ、ゴブ子に接近したコカトリスに向かって魔法を放った。


   ボッ!!


 コカトリス「キィー!!」


放った魔法は見事当たって吹き飛んだ。


 ダダン「ハッハッハッ!!俺を狙うなんて運が悪かったな!すでにお前らは囲まれてんだよ!」

    

コカトリス達を含んだ自分達を囲っている建物のから続々と弓や杖を持ったゴブリン達が姿を現した。


 ダダン「ヒヒヒ……全員突撃ィ!!」


 ゴブリン達「グオオオ!!」


 コカトリス達「キキキキキ!!」


そして彼らはぶつかり合った。鳥の黒い息によって消滅したり、ゴブリンの太いこん棒によって砕けたり、血みどろな戦いがそこにはあった。

そして、


 ダダン「なんとか勝った……」


地面には鳥達とゴブリン達の死体が散らばっていた。


 ダダン「それにしても、あの事知ってなかったら

     危なかったな……」



ーーーーーーーーーー少し前ーーーーーーーーーー



 ゴブリンの巣を処理した後の事、ダダンは自分の住んでる国(ダダン達のギルドがある国)の中に入る事で悩んでいた。


 ダダン「んー……コイツらどうしよ」


3人のホブゴブリンとゴブリン達がダダンの前に立っている。


 ダダン「このまま入るわけにはいかないしなぁ」


顎に手を当てて悩む。


 ダダン「全員ここで待たせとくか?いやいやそんなことしたら、ここ通るやつに倒されるな……それじゃ………全員隠れろ?」


ゴブリン達は近くにある草影や物陰に隠れる。

しかし近くに何もない者は、


 ゴゴゴゴゴゴ!!


ものすごい勢いで地面に潜った。


 ダダン「わあ!すげ!潜れんのか!」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ダダン「隠れろと命令すると、コイツらはマジで見つからないように隠れる。そこで試しに"隠れながらついてこい"って命令して、移動した後に出てこい的な命令すると突然現れた感じになる!これに気づいてよかったな!」


ダダンは地面に落ちた1匹のコカトリスの死体に目を配る。

それは鳥の首がキレイに切断されており唯一他と比べて損傷が少なかった。


 ダダン「死んだやつはテイムできないしなぁ……

     一応試すか」


鳥の頭部は見当たらなかったたが、切断された尾のヘビが落ちてあったのを見つけて試しに繋げてみたようだ。


 ダダン「おらテイム!」


一度触れて見たが魔法は発動しない。


 ダダン「無理かぁー……心臓動かしながらやったら

    いけっかな?」


コカトリスの心臓があると思われる胸部を押したりしながら、もう一度触れてみた。


 ダダン「お」


すると、ヘビの頭部がみるみる繋がり、ゆっくりとコカトリスは立ち上がった。


 ダダン「いけたー!!」


 コカトリス「・・・」


 ダダン「首がヘビでもいけんだな!!」


 コカトリス「・・・」


コカトリスは二つのヘビの顔でダダンをじっと見つめている。


 ダダン「名前何にしよっかな~」


 コカトリス「・・・」


 ダダン「んじゃあニワトリ!」


 ニワトリ「・・・」


 ダダン「ニワトリ!返事!」


 ニワトリ「ンギィアァアアアア!!」


新たな仲間が増えたダダン、都の城の先には何があるのか!?

次回ザートピンチ!!


ニワトリ・・・頭はヘビ、尾はヘビ、体はニワトリの

       コカトリス。ダダンによってその体に

       された悲しい生き物

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