11 渚のガンマン
「はぁ....はぁ...」
博士の攻撃(日焼け止め)が終了した。
この体...痛覚はないのに、触られている感覚や何かを塗られている感覚はあるもんだから、ペタペタと触られるのはかなり敏感になっている。
海に入る前なのにもかかわらず、なんでこんなにも疲労がたまっているのだろう...
「...はぁ、それじゃあ俺も行ってきます。」
「あ、注意点として深いところまでは行かないようにね。」
「...?なんでですか?」
「なんでってそりゃあ、君の体は表面は人間だが中身は金属でできたロボットなんだよ?
そんな金属の塊が、そんじょそこらの海水の浮力で浮くとでも思っているのかい?」
あ~確かにそうだな。
息をしなくてもある程度なら耐えられるかもしれないが、深いところにでも行って穴にでもはまったら出られなくなってしまうだろう。
「まあ、永遠の海底探査をしたいのであれば止めないけどね。」
「分かりました~」
「あぁ...それじゃあ行ってらっしゃい。私はここで荷物とかを見てるよ~」
そう言う博士を残して、俺は詩音さんと小春の元へと向かった。
詩音さんと小春は波打ち際で何かしているようだ。
「おう!遅かったな!」
「あはは...博士に日焼け止めを塗られててね。」
しっかりと塗りたくられて、テッカテカになった俺の皮膚を見せつける。
こんなに要らないだろ!っていうくらいベタベタに塗られてしまった。
まあ、これだけ塗られれば日焼けも大丈夫だろう。
「塗られてた...ですか?塗っていたではなく?」
小春さんにもこの体のことはある程度話してあるので、俺と同じようにこの体に塗る必要はないと考えたんだろう。
「そう、この体...日焼けしたら元に戻んないらしくてね。っていうか、二人は塗らなくていいの?」
「あ~...まあ、大丈夫だろ。」
「私は...着替えたときについでに塗ってきました。」
「え?じゃあ塗ってないの私だけかよ...ちょっと博士からもらってくる!」
そう言って、詩音さんは博士の元へ走っていった。
波打ち際には、俺と小春が取り残される。
「う~ん...それじゃあ俺たちだけでも遊んでようか。」
「そうしましょうか。」
「っていうか、さっきまでは詩音さんと何をやってたの?」
「そうですねぇ...波打ち際で軽く海水に触れていた感じです。
私、あんまり泳ぐのはあまり得意じゃなくて...」
「あ~そうだったのか。」
あちゃ~それなら何かしら海の家から遊び道具でも借りてくるんだったかな。
今からでも行ってくるか。
そう思い、小春に話しかけようとしたとき、博士の元に行っていた詩音さんが帰ってきた。
「うぅ...博士が日焼け止めの残りを使い切ってた...」
あ~俺に塗るのに結構な量使ってたもんな~
っていうか、日焼け止めって、出かける30分くらい前に塗るのがいいんじゃなかったっけ?
「でも、その代わり海の家でこんなの借りてきたぞ!」
そういって、詩音さんが取り出したのは水鉄砲だった。
小さいのが2丁と中くらいのが1丁...
「お!ちょうどいいじゃん。」
「ほい、小春。」
そういって、詩音さんは小春さんに中くらいのサイズの水鉄砲を渡す。
「あ、ありがとうございます。」
「よっしゃ~遊ぶか!」
「俺のは!?」
「冗談だよ。ほら、晋也の分。」
そう言って渡された水鉄砲を使い、俺たちは荒野のガンマンならぬ渚のガンマンとなり、打ち合いを始めた。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。




