04 男(魂)の連れ込み
翌日
先生が言った通り、俺が起きた翌日には退院ができた。
昨日はあの後、詩音さんと少し話をしたら自分が思っていたより疲れていたのかすぐに眠ってしまったので、まだあまり詩音さんについて良くは知らない。
だから、俺はボロが出る前に、逃げるように病院を立ち去ったのだ。
「詩音さんの家に行けばいいんだね。」
【そうだな、そこでとりあえず落ち着いて状況確認をしよう。】
病院で看護師さんが様子を見に来たり、病院にいる他の患者さんの目がある中、流石にぶつぶつと独り言を言う危ない人物になるわけにはいかなかったので、とりあえず詩音さんの家に行こうということになった。
「そういえば、詩音さんって家に誰かいないの...?」
【ああ、私は一人暮らしだから特に問題はないぞ。】
いや、一人暮らしの女性の家に男の人(魂)なんて連れ込んじゃいけませんよ!
【私は父親と喧嘩して、家出同然のように家を飛び出したからな。】
なるほど...だから病院にいる間、家族の誰ともお見舞いに来なかったのか。
【今は奨学金とアルバイト、あと母さんがたまに送ってくれる食料で何とかやっていってたんだが...】
へぇ~...結構頑張ってきたんだなぁ...
「今は入院してたから、お金がピンチってことか...」
【そういうこっだ。だから、明日からバイト頑張ってくれよ!
まあ、天井でも見ながらぼけ~としてるだけでもいいような、簡単な仕事だから大丈夫だろ。】
えっ!?ああそうか、明日からは俺がアルバイトしなきゃいけないのか。
金欠...女子大生...アルバイト...
...これ、俺がして大丈夫なやつなのか!?
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
ちょっと短くてすみません...
更新:セリフの名前取りました。