12 天才にも不可能なこと
「...というのが、俺と博士の最初の出会いだったはずです。」
「...正解だ。あの時は空を飛べる靴を開発したから、落ちてもいいように池の近くで試してたんだったね。
それを知ってるってことは、本当に君は天乃君なのかい?」
「だから、初めからそう言ってるじゃないですか~」
「...そぅ...なんだ...ね...」
おや?博士の様子が...
進化でもするのか?それなら、Bボタンを押す準備をしなければ!
こんなところにBボタンなんてないけどな!
すると、いきなり博士が抱きついてきて、
「よかった~!よがったよぉ~!」
ガチ泣きだった。
「何、勝手にに死んでんだよ~!いくら私が天才だからって、死んだ人間までは生き返らせることはできないんだぞっ!」
「すみません...」
「バカバカバカバカ!」
「すみません...」
謝ることしかできなかった。
ちょっと、俺が思っていた反応と違うものだった。
博士は研究ばかりで人間に興味がない。
俺だって、名前を覚えてもらうのに1年くらいかかったもんだ。
だから、博士は俺が死んでもサッと気持ちを入れ替えて、新しい研究にでも没頭するもんだと思っていたのだが...
俺は、博士がいつものように戻るまで、ひたすら謝り続けたのだった...
ーー
「なるほど...その体は、君が助けた子の物だったのか。」
博士が泣き止んだ後、俺の身(魂か?)に起きたことを説明していた。
目が真っ赤だが、ある程度落ち着いたようだ。
「まさか、ぶつかった衝撃で魂が移動していたとわね。
流石の私でも、そんな事態は予想していなかったよ。」
「ははは...まあ、そりゃそうですよね。」
「それで?わざわざ、私に状況説明をしに来ただけではないだろう?」
「ええ、そうです。博士、この状況を何とかできませんかねぇ?」
博士なら何とかしてくれるだろう!と思っていたのだが...
「ふむ...正直に言ってしまうと、どうすることもできない。」
...やっぱりそうだよなぁ~
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。




