プロローグ
初投稿です!
43と書いてシーさんと呼んでください!
俺の名前は天乃晋也...家から近いからという理由で決めた大学に通っている、ただの大学生だ。
いや、正確には"だった"というべきかな!
なにせちょっとした事情で今は通ってないからね。
あの事件さえなければ今も行ってるはずだったんだけどなぁ...
そう、一年ほど前に起きた、俺が俺でなくなったあの事件のことだ…
~~
3月25日...大学に入って2回目の春休み
晋也:「それじゃあ、行ってきます。」
俺はそう言って、後ろから母が「車に気を付けてね~」という声を背に家を出た。
今日は俺の好きな小説の新刊が出る日だっため、少し浮ついた気分になっていたかもしれない。
本屋に行く途中で信号待ちをしていると、青になっている信号の方から女の子が歩いてきた。
スラっと伸びた長い黒髪に整った顔だちをしており、うっかり見とれてしまっていた。
かわいい子だな~と俺が思ったその時、その子の後ろから急スピードで車が走ってきた!
俺は車がウインカーを出してるのは分かった。
...が、その女の子は手元にあるなにかを見ているようでその車に気づいた様子もなく、車の運転手も助手席にいる人物と話しているのか女の子に気づいてないようで、全然スピードを落とそうとしない。
危ない!そう思った俺は「逃げろ!」と言おうとしたが、どう頑張っても声が出ない...
それよりも、頭で考えるより先に体が動いていた。
自分がした行動に気が付いた時には、もう女の子は目の前...
女の子の方もさすがに車に気が付いていたが、驚きのあまり動けないようだ。
しかし、すでに車はもう俺と女の子の目の前に来ている。
俺はとっさに衝撃から女の子をかばおうと抱きついた。
~~
いや、しょうがないだろ?緊急事態だったんだから...
それともなにか?抱き着かずに、女の子と車の間にでも入ればよかったのか?
あいにくとそんな時間はなかったし、それに、俺が車ぶつかった衝撃で俺の体がその子に飛んで行って、二人とも大けがをしていたかもしれない...
それにしても、あんな状況でよくそんな冷静な判断ができたと自分でも思うよ。
あの時は時間がゆっくり動いてるように感じたからなぁ...
あれが火事場のバカ力、もしくは走馬灯?っていうやつだったののかな。
全然、過去のことなんて思い出さなかったけどね!あはは!
~~
ドン!
俺の体に大きな衝撃が走った!
俺と女の子は車にはねられたのだ。
晋也:「ぐへぇ!」
はねられた先の地面にぶつかった衝撃で、変な声が出てしまった...
意外と痛みはない。強い衝撃を受けたことで、一時的に神経がマヒしているらしい...
いやそんなことはどうだっていい!それよりも女の子は大丈夫だろうか!?
力を振り絞って顔を上げると、俺の腕の中に女の子がいた。
彼女はかすり傷程度で、大きなけがはしていないように見える。
車に引かれた衝撃からか気絶しているようだが、息はしっかりとしていた。
よかった...と俺が思った瞬間に急に目の前が真っ暗になった。
俺の目に何かの液体がかかったようだ...
なんだ?と思いつつ手で拭こうとしたが思ったように手が動かない。
そして急に強い眠気が襲ってきた!
(や...ばい...)
そう思いながらも、その眠気に逆らえず俺の意識は深い闇の中へ落ちていった...
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
更新:一人称を僕→俺に変更しました。
初めの方ですので誰がしゃべっているのかを左側に書いていますが、少し後の方では取っています。