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おっさんは帰りたい! -冤罪でダンジョンを探索していたら異世界に出てしまった。人類初の異世界到達で特典?そんなことより早く家に帰りたい……。-  作者: 士口 十介
おっさん異世界に立つ

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魔道革命

 この世界にある国の名前や国境がかなり違うのは判った。

 次に調べるのはこの世界の科学技術や魔法技術だ。特に魔法技術はわしの世界よりも早くからダンジョンの出現があった為わしの世界より発達していることが考えられる。

 と言う事は、その発達した魔法技術をわしの世界に応用すれば新たな製品、魔道具を作ることが出来るはずである。


 技術を考える上で現代社会に通じる大きな変化はやはり産業革命だろう。その中でも蒸気機関の発明は工業化の始まりの要因でもある。それが魔法と融合したどうなってゆくのか興味は尽きない。

 早くから魔法が発達したこの世界ならわしの世界のその先の技術が拝める可能性が高い。


(そう言えば、この拠点に来るまでに使った“魔道列車”だったか……まったく揺れなかったな。新幹線でもあそこまで揺れないことは無いぞ……。)


 実際どのような仕組みなのかはわからないが魔道列車はまったく揺れなかった。しかもわしが乗った魔道列車は通勤通学に使われているものと同じなのだそうだ。


(そんなことより産業革命、産業革命……?産業革命は十八世紀から十九世紀にかけて起きた産業や社会構造の変革のことを言うはずなのだが……産業革命と言う記述はないが“魔道革命“と言う記述がある。)


 はて?産業革命は無くても何かあるだろうかと思ってみてみると魔装革命が目に飛び込んできた。

 しかもその期間が十八世紀から十九世紀と産業革命と同じぐらいの年代だ。


(……“魔道革命”とは魔道具による工業化を意味する。魔法による駆動機関が開発されたことで農耕社会から産業社会への変化が起こった。)


 この世界では魔道具を使った工業化が行われたのか……。魔石を使う魔道機関により動力源が刷新され工場制機械工業が発達したのか。

 では、わしの世界で動力源となっていた蒸気機関はどうなった?


 わしは小一時間、蒸気機関を調べたが蒸気の蒸の字も出てこなかった。


 ―――――――――――――――――――――


 ここまでで判ったことはこの世界に蒸気機関はない。それだけではない、蒸気機関だけでなく内燃機関自体が存在しない。

 考えてみれば当然のことだ。

 蒸気機関が発達したのは石炭を手に入れる事が簡単だったからである。

 それよりも楽に手に入り出力も桁違いな魔石を使った魔道機関があった場合、広まるのは魔道機関の方だ。

 しかも。ダンジョンは世界どの国にも存在する。どこかの国が飛び抜けて発達することは不可能なのだ。


 ……まてよ?内燃機関が無いのなら、魔道列車の動力機関はどのような構造なのだ?それだけではない。産業革命もとい魔道革命時の工業化を推し進めた魔道機関の構造は?


 わしはどこかの図解はないかと別の本棚、魔道技術関係の本棚を探す。


(これだ!“魔道革命時から現代の魔道技術“そのものずばりのタイトルだな。)


 わしの見つけた本によると魔道革命時の動力機関は移動の魔法陣を使うことで動力機関としている物だった。


(しかしこの方法だと使用する魔石が大きくなければ移動の魔法陣は起動しないはずだ。)


 読み進めてゆくと何が魔道革命と言われていたのか理解することが出来た。魔道革命とは動力源の革命ではない。屑魔石と言われていた極小の魔石を一つにまとめ出力の大きな魔法陣を起動させる事を可能にしたのが魔道革命と言われるものの正体だった。


(こうしてみるとわしの世界と似ているが中身が全く違うな。)


 だがこの魔道革命の技術。わしの世界で喉から手が出るほど欲しい技術であることは疑いようがなかった。


(この技術はぜひわしの世界に持って帰るべきだな。それと同時に軍資金を稼ぐめどがついた。)


 わしの世界にあってこの世界にない技術。それを使えば必要な軍資金はすぐに集めることが出来るだろう。


(その為には科学や数学も調べなくてはいけないな。)


 そうやって書籍を調べているとだんだんと東の空が明るくなり始めていた。

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