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おっさんは帰りたい! -冤罪でダンジョンを探索していたら異世界に出てしまった。人類初の異世界到達で特典?そんなことより早く家に帰りたい……。-  作者: 士口 十介
おっさん異世界に立つ

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戦争の少ない世界

 近代日本が関係した三つの戦争がない。

 戦争はそれぞれの国の国内状況や世界の情勢などが原因としてかかわってくる。

 この時代の国際環境……いや、ダンジョン出現時からの世界の情勢を調べる必要がある。

 わしは“日本史”と書かれた本をとりあえず脇に置いておいて、世界史が書かれた本を探す。

 世界史の本は日本史の本の段違いの位置にあった。日本史の本があった棚は歴史の項目らしく世界史の本も簡単に見つけることが出来たのだ。


(ダンジョンが出現する前は……ダンジョン出現が1595年だからインカ帝国はすでに征服されているな。ん?1600年代に入るとアフリカ諸国での戦争が多くなっているな。だが現地住民から手痛い反撃を受けことごとく敗戦……。アメリカ大陸の方もあまり入植が行われなかったようだ。)


 確かあの時代、アメリカ大陸を開発するためにアフリカから多くの原住民が奴隷として連れてゆかれた。

 しかし、この世界はどの国も等しくダンジョンの恩恵を受けていると言える。その為、やってきた奴隷商人に反撃することが出来たという事か……。この事は現在の国境にも影響するのではないか?


 慌てて別の棚にあった現在(と言っても十年前だが)の世界地図を広げる。

 驚いたことにアメリカはわしの知っているアメリカではなくなっていた。

 北アメリカ大陸の中央にイロコイ連邦国という国家が設立されアメリカは東部から南部と西部の一部地域だけテキサス近郊はメキシコになっている。


 日本も少し違う。

 尖閣諸島や竹島、択捉島より南の千島列島は日本の領土になっているのは当然として、樺太の半分も日本領になっていた。

 そもそもロシアが帝国のままだ。中国は中華国の表記、こうなってくるとますます訳が分からない。

 ロシアが帝国のままだという事はロシア革命がなかったという事か……。この世界のロシアはどのようになっているのだ?


 わしは再び世界史、それも近代史の部分を読む。

 ……現在のロシアは皇帝の権利がなくなっており日本と同じように象徴ともいえる存在になっているそうだ。

 どこかで聞いたような話だ。でもこの世界の日本も天皇陛下は国の象徴なのか。

 世界史を読み進めるとこの世界のほとんどの帝国や王国の皇帝や国王は象徴となっていることが判る。

 しかも各国がその様になった理由は魔法の影響が大きいと書かれていた。


 魔法と言えばダンジョンの恩恵だ。

 ダンジョンを潜ることで様々な恩恵を受けることが出来る。魔法もその一つ。


(日本史や世界史だけではなくほかの書籍も調べる必要がある。ざっと拾い読みしただけでもここまで異なる部分があるのならわしの知らない書籍があってもおかしくはない。お?これはダンジョン関係の歴史書、ダンジョン史か!)


 どうやらダンジョン史は発見された当時から現在(十年前)に至るまでのダンジョンにおける発見や影響などが書かれている書物の様だ。


 予想していた通り、ダンジョン史によるとダンジョンが出現したことで様々な影響を世界に与えたようだ。

 例えばダンジョンを潜ることで得ることが出来る恩恵、魔法やスキルと言ったたぐいのものだ。

 恩恵を受けることが出来るのは貴族だけではなく平民も恩恵を受けることが出来た。物によっては貴族以上の力を発揮する。しかもダンジョンで手に入れたものによっては莫大な富をその者に与える。その為、貴族と平民の違いが気薄になっていった。


 恐らく当初は貴族だけでダンジョンを攻略しようとしたのだろう。しかし、貴族だけで全ダンジョンを攻略出来るわけではない。

 貴族の目の届かないダンジョンでは平民が潜り恩恵を受けることになる。

 これは当然だろう。

 今のわしの世界でも食料の問題は全世界的な問題だ。しかし、ダンジョンが出現したことでこの問題が解決しつつある。これはダンジョンで食料を得ることが出来るからだ。

 同じことはより早くダンジョン出現したこの世界でも広まったのだろう。

 今までは食料や軍事力で平民を抑えていた貴族だったが、ダンジョンの恩恵により食料はもとより軍事力でも平民を抑えることが出来なくなっていったのだろう。

 だがそれだと大規模な衝突があってもいいはずだ。


 “ダンジョンの恩恵の一つに魔法が存在する。この魔法の中でも占術デビネーション系の魔法は事態が悪化することを防ぐ役割を果たした。”


 占術デビネーション、予言など未来の出来事を予測する魔法の系統だ。

 わしの世界でも数人しか使うことが出来なかったが大きな災害の被害を何度か抑えることが出来ていたと記憶している。


 未来を予測する占術デビネーション系列の魔法を為政者側は当然確保に走る。その予言が為政者を破滅に追い込む……例えばロシア皇帝なら一家惨殺などを回避するのに使用する事は十分考えられる。

 しかし何時までも平民から搾取するだけの貴族社会を維持できるわけではない。貴族との差が気薄になればなるほど暴発し革命の危険性は高まる。

 それを回避していった結果が今の象徴としての皇帝となるわけだ。


 世界史を見ても第一次世界大戦や第二次世界大戦の記載がない。

 そもそも戦争は領土問題が主になる(大義名分は別として)が領土問題も資源の問題と密接な関係がある。

 ダンジョンから十分な資源が取れる場合、戦争をしてまで領土を確保する必要が無くなるという事でもある。

 これは日本が関係した三つの戦争が無かったことに繋がるのだろう。


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