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甘々短編集

夫婦の日常『七草粥』

作者: 衣谷強

突発短編!

七草粥で甘々ネタを思い付いたので、大して精査もせずに投稿しました。

季節ネタをやりたいだけで、他に何のこだわりもないので、過剰な期待をせずお読みください。

 今日は一月七日。

 七草粥を食べて健康を願う日。


「……おはよう」

「ん、おはよう」


 しかし夫はあまり野菜を食べない。

 この七草粥も嫌な顔をするだろう。

 だが私には作戦がある。


「あなた、今日は一月七日だから……、はい」

「うぇ、七草粥か。子どもの頃から苦手なんだよな」


 ほら来た! でもそれも想定済み!


「一年の健康を願う大事な行事じゃない」

「これ一杯で健康を守れるなら医者は要らないだろ」

「確かにそうよ。迷信と言われても否定できない」


 ここだ! 一度俯いて、上目遣いで!


「でも、あなたに健康でいてもらって、ずっと一緒に居たいから……」

「……」


 みるみる真っ赤になった夫は、無言で七草粥を食べ始めた。

 作戦成功! ……結構恥ずかしくて、私の心臓ばくばく言ってるけど……。


「ごちそうさま」

「お粗末さま」


 よしよし完食したわね。偉い偉い。


「なぁ」


 器を下げに来た夫が不機嫌そうに声をかける。やっぱり納得がいかないのね。


「あぁいうこと言うなよ。恥ずかしいだろ」

「あぁでも言わないと食べてくれないでしょ?」

「そんなことないよ」


 そうかしら? 野菜料理のリクエスト聞いたら生姜焼きとか答えたくせに。


「……野菜は苦手だから文句は言うけど……」


 ん?


「お前の作った物なら何でも全部食べるからさ」


 え?


 え、え、え?


 何これ。顔が赤くなるのが肌で分かる。

 心臓の音が耳から聞こえる。


「え、どうした急、に……!」


 私の顔を見て自分の発言に気が付いたのだろう。顔を真っ赤にしてうろたえ出す夫。


「え、えっと……」

「う、うん……」


 こ、こんな時何言ったらいいの!? 頭が熱くて訳がわからなくなる! 


「……今夜は生姜焼きにする」

「……分かった。早く帰る」


 私は顔を赤くしたまま、真っ赤な顔の夫を送り出した。


 ……今夜は、頑張ろう。うん。

読了ありがとうございました。

やはり甘々は良い!

拙作「とある夫婦の暇つぶし」と同じ夫婦か、別の夫婦か、それは読み手の方にお任せします。


衝動的に短編を書くせいで、アドバイスを貰った連載への工夫が反映できていないのが申し訳ない。

れ、連休になったら必ず(フラグ)!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 甘々な夫婦で、見てて可愛いです。 でも旦那さん、何でも食べるって言ったよね? ちゃんと出されたものは食べてあげないと、作る方は日々の献立を栄養バランスを考えながら作るんだから駄目ですよ。 …
[良い点] 甘々、「よき」ですね! そして生姜焼も「よき」! 面白かったです。
[一言] これが、これが・・ぬおおおおおぉぉぉぉぉ チョロイン すまんな、この変化にまだ慣れていないんだw
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