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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

君ごとティアーズ外伝

構想があるのに、なかなか話が進まない。書くの楽しいですが、まとまらないですね。なんか書いておこう。(チャレンジ)

015

 好奇心と張り合うおれさまはいつも大変お世話になっております。

 痛い目見ようが寒い目見ようがお構いなしの畑のカカシのおれさまの風



 ◇



 いつも通りに剣の腕を磨き

 王都征伐に向け訓練所で額に汗を絡ませていた。


 不吉な運命の鐘が鳴った。


 俺がその感覚に見舞われたと感じた日のことだ。


 難攻不落を誇る我が城壁の向こうから

 轟々と唸る地響きに耳立つ。


 兵士らは瞳孔に幻をまとうかの動揺で

 口々に閉門を唱え、身を寄せ合っていた。


 見習いといえども、王宮衛兵の心得から遠ざかる

 彼らの言動に怒りを禁じ得ない。


 

 城壁の上層階で慌ただしい足音が舞う。


 上空から寒気が下りて来るように

 訓練兵の頭上に降り注いできた巨大な水玉が

 わが目を生まれて初めてたじろがせた。


 空から地上に迫りくる

 巨大な水玉の正体を知ったのは

 不滅を誇る我が帝都をあっと言う間に蜂の巣のごとくに

 射抜いて、国の機能を破壊的に止めた後年のことだった。



 天災に見舞われた帝都の末路にさえ欲深な貴族らは

 私財を投げうつことをためらうばかりか

 絶望の傀儡(かいらい)など御免とばかりに

 わが帝都軍とその王族を見限ったのだ。



 災厄の訪れ以前に敵対勢力だった魔導の王都より

 遣わされた使者の伝令が我が王の胸にあり

 王都の望む和解の歩み寄りの智慧の言葉を頼りに

 双方の王は謁見を試みた。



 災厄の打開策は見出せぬものの

 抗う術を魔導の王都は付与してくれた。


 我らが共に生存するための叡智を持っていた彼らを

 長きに渡り、外道と虐げた罪の償いと

 此度の功績賞賛の為、彼らを高位魔法使いと呼び、


 未来永劫に崇め奉る誓願の石碑を彼の聖域(エヴァンタシア)に収めよう。




 険しき道のりにつき

 魔法王自らが、彼の聖域(エヴァンタシア)の守護神に会いに行く

 旅立ちの決意を進言。


 帝都の王は彼らの寿命が人間より

 遥かに長き事を存知の故に内諾したのだ。




 人間と魔法使いの協和より二百年が過ぎ

 協和記念の時を樹歴(じゅれき)元年と定める。


 夢幻大陸ファナジスタの現樹歴は二百余年。

 樹歴(じゅれき)とは彼の聖域(エヴァンタシア)に於いて

 世界樹が誕生した事象に由来した年代の数え方である。




 魔法王が向かいし、その聖域とは

 グッド・エヴァンタシア大陸の双刻の里だ。


 双刻の里に入りさえすれば

 時空の歪みに入り寿命の心配が不要になるのだとか。




 俺は人間の代表として魔法王と共に

 エヴァンタシアの双刻の里へ旅立つことになった。


 魔法使いと人間がその聖域に行き、双葉の印を

 授かる事が両者の真の歩み寄りであり、

 理解であり、罪業消滅となるからだ。



 双葉の印とは、他種族間で子孫を授かる事が

 可能となる神秘の超越的な配合儀式のことを言う。



 

 エヴァンタシアの歴史はファナジスタの比較に

 ならぬほど遠く永いと聞く。


 世界樹が誕生した時節を仮に樹歴元年としても

 更に千年(さかのぼ)る頃に成るのだ、

 その世界の名が、グッド・エヴァンタシアと命名されたのは。



 無論、それ以前の世界もずっと存在していたと聞くが……。



 エヴァンタシアには

 七つの里があり、その一つが双刻の里だが

 俺はそれ以上を知ってはならないのだ。





 双刻の里の手前には磁気嵐の吹き荒ぶ樹海があった。

 抜け道を知らぬ者は異分子として排除され続ける。


 それを凡人は迷いの森と呼び、延々と彷徨う。

 謎に包まれた未知の世界の中心の聖域だ、

 そう易々と部外者の侵入を許す筈も無い。


 神秘的ではあるが、その様な過酷な条件で

 そこに一度迷い込めば千年脱出不能な場所に

 そもそも足を運べる者など居やしないがな。





 エヴァンタシアの本地に入界できる存在は、

 この世で二種類しか居ないのだ。


 一つには、俺と魔法王のケースだ。

 魔法王はファナジスタの王の一人だ。


 つまり王族。

 種族の王か、その血筋の者だけが

 入界の鍵そのものに成っているらしい。


 もしそういった付添人が居たとしても

 先に進めるのは恐らく血筋の者だけだ。




 もう一つには、エヴァンタシア大陸からやって来た者だ。

 てめぇの家に帰るだけの道で何百年も迷う奴がいるか?


 

 


 「……」

 

 フッ、俺か……。

 俺は、その夢幻大陸ファナジスタ帝都の初代王の双子の片割れ。






 その名を──




 「リト・ドムドーラ・エデン」。





 いずれの種族の中でも王族は、

 格別に寿命が長いのだ。

 人間には、それ以外の取り柄は殆ど無いがな。



 稀に祖先の記憶が脳内に降って来ることがある。

 神託ってヤツだな。


 その神託により、古の知識図(ラストサン)の展開の

 記憶付与が許されているのは、この世で

 双子の俺達、それと魔法王の……あいつ、

 何て名だったかな? 


 王様より聞く限りは、この三人だけだ。


 何しろ、ファナジスタを立ってから

 二百年は過ぎちまったから、俺も

 細けぇコトは忘れちまったのかも。



 双刻の里には辿り着いたんだが。



 「……」


 え? 

 早く帰らねぇ理由を知りてぇのか?


 俺様にだって、のっぴきならない事情が

 出来ちまったってコトさ。


 

 続きが気になるのなら、

 君もGo To ……

 迷いの森まで行って見たらどうだろうか。



読んで下さってありがとう。

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