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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第一幕
88/697

活動内容

蒼井家は、基本的にあまり積極的には近所付き合いをしていなかった。何しろ、対外的には、母親とその一人娘といういわゆる<母子家庭>になっているし、作家であるということを色眼鏡で見る人間もいるので。


敢えて町内会にも参加していない。


よく、『町内会への参加を断ると嫌がらせを受ける』というような話もあるものの、アオ達がいるところは、元々、参加している人が少ないこともあって、町内会としての活動そのものが活発ではなかった。


そのため、<地域の繋がり>のようなものが希薄なのは偽らざる点でありながらも、その分、学校には協力させてもらった。


PTAの役員まではさすがにコミュニケーション能力的に無理なので遠慮はさせてもらいつつ、それでも平の委員については、在学中の六年間に最低一回担当すればいいところを、これまですでに二回、努めている。


<地域委員>と<生活安全委員>だった。


地域委員は、自身の担当する学区内の地域の子供達を全般的に見守る役目であり、主に小学校主催や小学校の設備を借りて行われるイベントや行事のサポートが活動内容だった。


対して生活安全委員は、その小学校に通う生徒そのものの生活上の安全に資するのが主な活動内容である。


具体的な仕事としては、地域委員は集団登校を行う生徒を見守ったり、学校で行われる防災訓練や自転車安全教室や運動会やお祭りについての雑務、夏休みや冬休みの間、繁華街などで遊ぶ生徒への注意を促すための声掛けとなる。


一方、生活安全委員は、荒天時以外ほぼ毎日行われる夜間の学区内のパトロールへの参加(交代制なので当番は月一回程度の割合で回ってくる)を始め、地域委員と共に防災訓練や自転車安全教室での雑務、運動会やお祭りにおいては警備を担当、加えて地域委員と共に夏休みや冬休みの間の生徒への声掛けとなっていた。


コミュニケーション能力的にアオにとってはなかなか大変な仕事だったものの、椿(つばき)のためと思えば頑張れた。


特に、夜間のパトロールや、夏休み冬休みにおける生徒への声掛けについては、気配を消したミハエルと悠里(ユーリ)安和(アンナ)がついてくれていたので心強かった。


繁華街で遊ぶ生徒への声掛けなど、それこそどんな<非行少年>らと係わり合いになるかと不安だったけれど、思ったほどおっかない状況には出くわさなかった。


世間で言われているほど、子供達は荒れていないということかもしれない。


もちろん地域性もあってのことかもしれないものの、一部の荒れている子供達の行状ばかりが伝わってくることで、なんとなくそれが全体のような印象になっているだけだと感じたのだった。



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