表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第一幕
7/697

パパもママもだ~い好き♡

なお、悠里(ゆうり)安和(あんな)は、精神的には一応思春期にも突入しているけれど、その身体的な特徴とも相まって人間が言う<思春期>とは元々違うものだった。単に明確な自我が確立されることで自分と他者の違いというものについていろいろ考えてしまうだけである。


なので、その見た目と相まって何も違和感がない。


また、椿(つばき)もみんなで一緒のお風呂が大好きなので、ただ楽しんでいるだけだった。


彼女が通う小学校のクラスメイトの中には、


『お父さんと一緒のお風呂とか、絶対に無理!』


と公言している女の子もいるものの、椿としては、


『ふ~ん、そうなんだ』


と思っている程度でしかない。彼女はもう齢十歳にして、


『自分と他人は違っていて当然』


という風に達観していた。他人と違っていることで不安になったりはしない。その必要がなかった。


だって彼女はとても愛されているから。


体を洗って頭も洗って、髪の手入れもして、みんなと一緒に湯船に浸かって、


「パ~パ♡ マ~マ♡」


そう甘えれば、


「は~い♡」


きちんと受け止めてもらえた。父親が吸血鬼だということも理解してるし、それが今の社会じゃ受け入れられないこともすでに理解してる。


けれどそんなことは瑣末な問題だった。


「椿、パパとママのところに来てくれてありがとう…」


そう言ってもらえるから。


自分が祝福されていることが分かるから。


「パパもママもだ~い好き♡」


素直にそう言える。


そうしてみんなでお風呂を楽しんで、


「ほわほわ~♡」


家族揃って桜色に染まって、まさにほわほわに緩んだ様子で上がった。


「はにゃ~♡」


「うにゅ~♡」


「にゃひ~♡」


悠里(ユーリ)安和(アンナ)椿(つばき)も、とろけたようにリビングで寛ぐ。


蒼井家には、基本、<自室>というものがなかった。アオの仕事部屋はあるものの、他には寝室しかない。なにしろ普段はリビングで集まって過ごすのだから。


一応、アオの仕事部屋の一部やリビングの一部を区切って<子供部屋>を作った時期もあったけれど、子供達の誰もそこにこもったりしなかった。なんだかんだと皆、リビングに集まってしまう。そこで家族全員で過ごす。


アオですら、仕事に特に集中する時には仕事部屋にこもるものの、それ以外は、リビングにノートパソコンを持ち込んで仕事をしている。


それが一番リラックスできるからだ。


今も、リビングに全員集まって、録画していた深夜アニメを一緒に視る。


コメディ調のアニメが好きなのは共通で、その上で、悠里はホラーやアクション物、安和は学園物やサスペンス物、椿はシュールギャグ系が好きだった。


けれど、基本的にどのジャンルのアニメでも楽しむことができるのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ